シーン7 置屋・十数日後
(登場人物)
青井由太
江戸から京都へ流れ着き、静に拾われた青年。働くことは嫌いだが、料理・洗濯・掃除は得意。
神無月静
由太の「飼い主」。表向きは花街で生きる女性だが、裏では倒幕派に関係する女間者。
お光
静と同い年の芸妓。明るく世話好きで噂好き。由太を弟分として可愛がっている。
坂本龍馬
土佐藩士。京で活動する尊王攘夷派、後に海援隊を立ち上げる。
しばらくして。
薩摩から手紙が届いた。
静:
「坂本からだ」
由太:
「本当!?」
静が読む。
由太:
「何て?」
静:
「霧島へ行ったそうだ」
由太:
「温泉は?」
静:
「入った」
由太:
「傷は?」
静:
「良くなっているらしい」
由太:
「ほら!」
静:
「何が『ほら』だ」
由太:
「俺の案、大成功じゃん!」
静:
「たまたまだ」
由太:
「他には?」
静:
「山へ登ったり、景色を見たりしているそうだ」
由太:
「完全に旅行じゃん!」
静:
「療養だろう」
由太:
「夫婦二人で温泉行って、山登って、景色見て――」
静:
「……」
由太:
「静さん」
静:
「嫌だ」
由太:
「まだ言ってない!」
静:
「分かる」
由太:
「一回くらい!」
静:
「……」
由太:
「俺、ずっと静さんの世話してるじゃん」
静:
「そうだな」
由太:
「一回くらい二人で遊びに行こうよ」
静は手紙を見る。
少し考える。
静:
「……近場なら」
由太:
「え?」
静:
「仕事が落ち着いたら考えてもいい」
由太:
「本当!?」
静:
「考えるだけだ」
由太:
「やった!」
静:
「決定ではない!」
由太:
「お光さん!」
お光(隣室):
「聞いてたー!」
静:
「なぜいる!」




