シーン2 寺田屋・夜
(登場人物)
青井由太
江戸から京都へ流れ着き、静に拾われた青年。働くことは嫌いだが、料理・洗濯・掃除は得意。
神無月静
由太の「飼い主」。表向きは花街で生きる女性だが、裏では倒幕派に関係する女間者。
坂本龍馬
土佐藩士。京で活動する尊王攘夷派、後に海援隊を立ち上げる。
お龍
坂本龍馬と恋仲。
その数日後。
伏見。
寺田屋。
坂本龍馬を捕縛しようとする伏見奉行所の捕方が、宿を取り囲んだ。
龍馬は負傷しながらも応戦。
お龍の機転もあり、辛うじて脱出した。
――そして、その翌日。
京。
由太は静から頼まれた荷物を届けていた。
由太:
「これ届けたら団子食べて帰ろ」
静:
「寄り道するな」
由太:
「一軒だけ」
静:
「駄目だ」
由太:
「じゃあ二軒」
静:
「増やすな」
そんな会話をした数刻後。
由太は、とある薩摩藩関係者の屋敷へ荷物を届ける。
由太:
「すみませーん。神無月静さんから――」
男:
「静殿の使いか」
由太:
「はい」
男:
「そこへ置いてくれ」
由太:
「はい」
帰ろうとした時。
奥から声が聞こえる。
龍馬:
「痛っ!」
お龍:
「だから動かないでください!」
龍馬:
「これくらい平気じゃ」
お龍:
「血が出てるでしょう!」
由太が覗く。
由太:
「怪我人?」
男:
「見るな」
由太:
「すみません」
去ろうとする。
だが――。
龍馬:
「おんし」
由太:
「俺?」
龍馬:
「静さんの知り合いか」
由太:
「飼われてます」
龍馬:
「……飼われちゅう?」
お龍:
「どういう意味です?」
由太:
「ヒモです」
龍馬:
「はっはっはっ!」
龍馬が笑う。
龍馬:
「面白い男じゃ!」
お龍:
「笑ったら傷が開きます!」
龍馬:
「痛っ!」
由太:
「ほら」
お龍:
「あなたまで言わないでください」




