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シーン10 事件後

(登場人物)


青井由太(19)

江戸から京都へ流れ着き、静に拾われた青年。働くことは嫌いだが、料理・洗濯・掃除は得意。年上女性に可愛がられる才能と、本人に自覚のない情報収集能力を持つ。


神無月静(26)

由太の「飼い主」。表向きは花街で生きる女性だが、裏では倒幕派に関係する女間者。剣の腕も立つ。


武市半平太(35)

土佐藩士。京で活動する尊王攘夷派の中心人物の一人。


土佐藩士、新選組隊員

屋敷の外。

敵方は新選組と町方の前で言い逃れができない。

武市は静を見る。


武市:

「すまなかった」


静:

「何がです」


武市:

「私は君を見捨てる判断をした」


静:

「正しい判断です」


武市:

「だが、あの男は違った」


二人が由太を見る。

由太は町人たちに囲まれている。


町人:

「由太、無事か!」


由太:

「腰痛い」


魚屋:

「魚食え!」


由太:

「なんで?」


魚屋:

「元気出る!」


豆腐屋:

「豆腐も持ってけ!」


由太:

「今日は湯豆腐だな」


武市:

「彼には敵味方という考えが薄い」


静:

「ええ」


武市:

「だから新選組まで動かせた」


静:

「本人は何も考えていません」


武市:

「それが恐ろしい」


静:

「同感です」


武市:

「だが」


少し笑う。


武市:

「少し羨ましくもある」


静:

「何がです?」


武市:

「我々は敵と味方を作りすぎた」


武市は由太を見る。


武市:

「あの男には、それがない」

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