↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目が覚めたら剣と魔法の世界でした  作者: 蜜柑
第一章 初めての異世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/26

第十八話 兄弟喧嘩

ガルディアはいつも以上にキレていた。

当たり前だ。自分の嫌いな兄が自分の大好きな兄を殺そうとしたからだ。

昔は違った。ガルディアは自分の兄二人が大好きだった。そう、あの時までは。

そんな事を考えていたガルディアに対し、ガルザルは容赦なんてしない。

「どうした!ガルディア!」

ガルザルは容赦なくガルディアに向かって斬りかかる。

「くそっ!」

ガルディアはまだ覚悟が決まっていなかった。

確かに、今はガルザルのことが嫌いだ。

でも、ガルディアには確かにあるのだ。三人で仲良く遊んでいた記憶も。

だから、ガルディアは口では殺すだのなんだの戦いながらも言ってはいるが全力を出せていなかった。

「お前、本気出してないだろ。」

ガルディアが斧ごと蹴飛ばされる。

「クソが…」

ガルディアも覚悟を決めるべきだ。

頭では理解してる。だが、体が全力を出してくれないのだ。どれだけ本気で魔力を込めて身体能力を上げようと、やる気のない攻撃では意味がない。

周りでは自分の仲間たちが全力の力で、自分のために戦ってくれている。

仲間が自分を期待し、信じてくれている。

だがら、ガルディアはその期待を裏切らないために再び立ち上がる。

「どうした?やっとやる気になったか?ガルディア。」

次の瞬間、ガルザルの目の前にはガルディアの黄金の斧が飛んできていた。

それを頭でぎりぎりかわし、目をその黄金の斧に奪われる。

そして、もう一つのガルディアの黄金の斧により

「斧《アックス》スキル!ゴールデンブレイク!」

ガルディアの渾身の一撃がガルザルの腹部に命中していた。

「ぐがっ!」

次の瞬間、ガルディアの手には投げたはずのもう一つの黄金の斧がかえってきていた。

そのままガルディアは

「斧《アックス》スキル!ゴールデンバースト!」

二つの斧の連撃。それはガルザルにとって致命傷となった。死んでもおかしくはない。

「まだ!」

ガルザルが最後の力を振り絞りガルディアに向かって走り出す。だが、

「もうやめにしよう。ガルザル。」

ガルザルの肩に手をおく獣族の青年が後ろに立っていた。そう、それは紛れもない自分の実の兄、ガディルだった。

「ガディル兄さん…」

ガルザルの動きが止まる。

そして、そこに歩み寄ってきていた、獣族の少年が言った。

「ガルザル兄ちゃん。ごめん。」

「なっ…」

戸惑っているガルザルにガルディアが続ける。

「俺のせいで喧嘩になったのにずっとムキになってまともに話そうともしなくなった。ガルザル兄ちゃんが話そうとしてくれた時も、俺は兄ちゃんに暴言を吐いて相手にしなかった。ほんとにごめん。」

その言葉を聞いたガルザルの目には涙が浮かんでいた。六年間の長い兄弟喧嘩。それが今やっと終わる。そう思ったことと、ガルディアの本心を聞けたこと。それが本当に嬉しかったからだ。

「俺の方こそ、本当にごめん。ガルディアもガディル兄さんも。ガルディアとは六年間も喧嘩していたな、俺もあの時、何も悪くないお前を責めてしまった。お前も、怒って当然だ。そして、ガディル兄さん、さっきは兄さんの仲間を殺して、兄さんも殺そうとした。本当にごめん。謝って許されることじゃないってことは分かってる。でも、謝らせてくれ。」

そこにガディルは

「俺を殺そうとしたことは許すよ。でも、俺の仲間を殺したことは許されることじゃない。だからお前は、その罪を忘れることなく過ごせ。殺した人のことを常に想え。いいな?」

ガディルの声は優しかった。

「本当にごめん。」

ガルザルは泣いていた。子供のように鼻水も流しながら泣いていた。

「ガルザル兄ちゃん。俺達は兄弟なんだ。喧嘩しても、やり直していけば大丈夫だ。きっと。」

「ガルディア、ガディル兄さん…本当にごめんなぁ。」

ガルザルは泣きじゃくっていた。子供のように。

ガディルの仲間をザベル達と殺したことは決して許されることではない。それでも謝る。そう決めたのだ。

だがそこに

「待ってください!ガルザル!」

ザベルが怒りながら兄弟の中に割り込んできたのだ。

「なんでここで諦めるんですか!まだコイツらを殺せるだろ!」

そこにユウガが現れ、ザベルの顔面をおもいっきり殴り飛ばした。

「ぐがっ!」

「うるさいんだよ!クソザベル!今ガルディア達がいいところだろ!邪魔すんじゃねえ!」

「私をクソと呼ぶとは…許されると思ってるんですか!」

そこにエリス来て

「コールドドライ。」

ザベルを凍らせた。

「もう!うるさいんだから!少し寝て反省してよね!」

そこにユウガが親指を立て

「ナイスだ。エリス。」

そして、ガルディアたち兄弟は

「帰ったらまた、改めて話そう!ガルザル兄ちゃんもガディル兄ちゃんも!」

「ああ!もちろんだ!」

ガルザルがそう答え、ガディルが頷く。そして、

「ガルディア、試練がんばれよ。」

「頑張れ!ガルディア!」

兄二人の応援に対しガルディアは

「ああ、もちろんだ!」

そうして、ガルディア達の長い兄弟喧嘩が幕を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。