第十一話 修行の道③
自身のユニークスキルが使えるようになった日の夜、ユウガはエリスとエージと喋っていた。
「え!ユウガユニークスキルあったの!?」
「驚きました。ユニークスキルは極稀なものなので。」
「ああ、まあな!」
エリスは不思議そうに聞いた。
「それで、ユウガのユニークスキルってどんなスキルなの?」
「俺のユニークスキルは解放者っていって一時的な制限付きのパワーアップだ。」
「へー、なかなか強いユニークスキルじゃない。」
「それで、エリスとエージは何かできるようになったことがあるのか?」
今度はユウガが聞いた。
「私は氷魔法の上級魔法を一つで、」
「僕は治癒魔法の上級魔法を一つです。」
「確か、上級魔法から詠唱が必要なんだよな?」
「ええ、そうよ。だから上級魔法を使う時は必ず隙ができちゃうからユウガ、その時は任せたわよ。」
「任せますよ、ユウガ。」
ユウガは自信満々に応えた。
「おう!任せとけ!」
その次の日、ユウガは魔法の練習をしていた。
「ユウガよ、嬢ちゃんらが上級魔法を覚えたんだ。お前も使えるようになれ!」
「難しいんだよ!こちとら昨日まで2カ月くらいユニークスキルと剣の修行してたんだぞ!」
「文句を言うな!さっさと覚えんかい!」
「じゃあ、もう一回見せてくれよ。上級魔法。」
ユウガがそう言うとオガミは詠唱を始めた。
「雷よ怒れ 雷よ轟け 雷よ狂え 上級魔法!ライトニングサンダー!」
その瞬間オガミの手に生成されていた魔法陣から一直線に黄色く、青い雷が放出された。その一撃は神殿級魔法ほどではないが、絶望を感じるような一撃だった。
「こんなもんだろ、まあ、ユウガが使えば少し火力が落ちるだろうがな。」
「やっぱり化け物だろ、師匠。」
「誰が魔物だ!」
「前も言ったが、魔物じゃなくて化け物って言ったんだよ!しかも、いい意味でな!」
「なんだお前、褒めておったのか。分かりづらいやつだな。」
「師匠が鈍感なんだよ!」
「まあ、よい、とりあえず真似しろ。」
そう言われたユウガは師匠のように詠唱を始めた。
「雷よ怒れ 雷よ轟け 雷よ狂え 上級魔法!ライトニングサンダー!」
そう唱えたユウガの手の魔法陣からは、小さい雷が放出された。
「これじゃ、初級魔法だな。」
「なんでだよ!やっばりムズすぎるんだよ!」
そう、愚痴をこぼすユウガだったが1週間後には
「雷よ怒れ 雷よ轟け 雷よ狂え ライトニングサンダー!」
師匠ほどではないにしても、普通の上級魔法の出力を出せていた。
「うむ、雷魔法は大丈夫そうだな。次は炎魔法だ。」
「炎魔法、やっとか、俺は炎魔法の方が得意だからな。」
「その割には、剣に纏う炎の色は赤いがな。」
「うるせぇ!」
「とりあえず見ときなさい。炎は蒼く燃えたぎる 炎はすべてを焼き尽くす 炎はすべてを無に返す ギガ ファイアーアロー!」
その太く、熱く、蒼い炎の矢の一撃を見たユウガはその威力に驚いたが、一つ疑問が生じた。
「なあ、師匠、ファイアーアローって初級魔法じゃなかったっけ?」
「ファイアーアローの前にギガってついとるだろ?これと詠唱さえ加えればどんな魔法も上級魔法に成り得る。覚えとけ。」
「なるほどな、覚えとく。」
「お前は雷魔法の上級魔法を使えるようになったんだ。その時よりは早めに使えるようになるだろう。」
そう言われたユウガは修行を始めた。すると、
「炎は蒼く燃えたぎる 炎はすべてを焼き尽くす 炎はすべてを無に返す ギガ ファイアーアロー!」
完璧に蒼い炎ではなくともところどころ蒼い炎の矢がユウガの手の魔法陣から放出された。
「くそ!できはしたが、師匠みたいに完全に蒼くねえよ。」
そう言うユウガに師匠は言った。
「当たり前だろ。元はその炎は紅いんだからな。」
「は?儂が威力を上げて、詠唱をほんのちょっと変えて、蒼くしてるだけだ。」
「マジでなんなの、あんた。もはやすごすぎて怖いんだが。」
「まあ、ユウガの炎も少し蒼かったからな、普通の上級魔法よりは火力があっただろ。合格といったところだな。」
その後、ユウガは炎魔法、雷魔法の様々な初級、中級、そして治癒魔法の初級を教わり、できるようになったが、
「クソー!まだ、上級魔法が半分くらいできねえし、神殿級魔法なんて全くできないぞ!」
「当たり前だろう?逆に今のお主が神殿級魔法を使えたらとんでもない才能過ぎて儂が引くわ。」
「俺はもう師匠のこと半分引いてるんだが!すごすぎて!てか、もう、師匠が全部倒せばいいんじゃないのか?軍団長とか魔王。」
「断る。」
「何でだよ、そんだけ強かったら魔王だって倒せるだろ?」
「無理だ、軍団長は倒せるが今、儂がすべて倒したらどうなる?お前たち、若者の成長が止まってしまうだろう?それと、魔王は今の儂では倒せん。だからユウガ、お前なんだ。お前が倒せ。魔王を。」
「いや、師匠が無理なら俺も無理だろ。」
「今無理と決めつけてどうなる?お前はこれから儂よりも、魔王よりも強くなるんじゃなかったのか?」
「っ!当たり前だ!俺は、魔王を倒す!師匠が無理なら、弟子である俺が変わりに倒す!任せとけ!」
その一言に頼もしさを感じる師匠オガミなのであった。
その夜、ユウガは考えていた。自分の強さについて、
(今の俺は、魔王信仰軍軍団長ヨルムンガンドを相手にどこまでやれる?恐らくは、互角か少しあいつが強いかだ。何か対策をしないといけないな。)
そう考えているとエリスがやってきた。
「どうしたの?ユウガ。考え事?」
「エリスか、いや、魔王信仰軍を相手にする時の対策について考えてたんだ。」
するとエリスが言った。
「確か、ヨルムンガンドって毒を使ってきたんでしょ?」
「ああ。」
「なら、」
「僕の出番ですね。」
「エージ!そっか、お前は治癒魔法を中心に修行してるんだったな!」
「はい、毒の解毒もしっかりと出来るようになりましたよ。」
「それは良かった!俺が敵の毒でピンチな時は任せたぞ!エージ!」
「はい。もちろんですよ。」
魔王信仰軍と戦う準備が着々と進むユウガたちなのであった。




