第9話 番外編 部員で初詣
クリスマスの余韻が残ったまま、冬休みは部活であっという間に消えていった。
年末から年始にかけては祖父母の家に行っていたので、花菜とはクリスマス以降会えず、やり取りはメールだけだった。
たまに送ってくれる友達との写真は、迷わず“大事なフォルダ”に保存した。
年が明け、部活初め。
身体が「なまっています」と悲鳴をあげていた。
理由は分かっている。お餅の食べすぎだ。
部活始めは上手くなるというより、思い出すという表現がしっくりくる。
隣のコートでは女子バスケ部と男子バスケ部が合同練習をしていて、シゲもショウも相変わらず頑張っていた。
もちろん花菜も。
こういう時、自分もバスケができたらな、と少しだけ思う。
今日は花菜が一日練習とのことで、午前中の部活が終わったあと、僕は部活メンバーと初詣に行くことになった。
隣駅に“縁結び”で有名な神社があるらしい。
お昼は近くのファーストフード店へ。
迷惑な話だが、ポテトひとつで何時間も楽しめる高校生って、本当に可能性の塊だと思う。
神社に着くと、思っていたよりも由緒ある佇まいだった。
部活の大きなカバンを背負った男子高校生7人は、どう見ても浮いていた。
縁結びということで、みんな血眼になってお参りし、絵馬を書き、線香の煙を吸い込むように浴びていた。
正しい方法かは分からないけど、気持ちだけは本気だ。
縁結ばれている僕は、何を書こうか悩んでいた。
−花菜との日々が続きますように−
それを書こうとした時、ナオキとタカヤが話しかけてきた。
「上田さんのこと書くんじゃないよな?」
「そのつもりだけど」
「一人だけ幸せでいいと思ってるのか?」
切実な顔で言ってくる。
「じゃあ、みんな縁結ばれるようにって書けばいいの?」
正直、それでもよかった。
だが二人は首を振った。
「分かってないな。今、部員何人?」
「2年生5人、1年生7人」
「そうだ。で、マネージャーは?」
「2年生に2人」
「同級生は?」
「0人」
「そうだ。来年マネージャーがいなくなる!
それはダメだ。癒しがないと頑張れない!
だからバレー部とマネージャーの縁結びを任せた!」
めちゃくちゃだ。
でも、マネージャーの存在がありがたいのは確かだ。
僕は“マネージャーが入りますように”と丁寧に書き、
一番高いところに絵馬を結んだ。
うんうんと頷く二人。何様だ。
そのあとはおみくじを引いた。
大吉はシンタロウとナオキ。ナオキは上機嫌だった。
僕は小吉。微妙だ。
−争事 末に静かに起こる。気をつけたし。−
嫌な予感がして、青とピンクの恋守を買った。
花菜には言いたくなくて、
「小吉だった(笑)」
とだけメールした。
初詣のあとはボーリングへ。
チーム戦で負けた僕のチームは、一発ギャグの罰ゲーム。
ボーリング場の床くらい滑った。
……その動画を、なぜか花菜が持っていた。
何かあるたびに再生されることになる。
この件に関しては、シンタロウを許すつもりはない。




