表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0.5%の恋  作者: まんぷくねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/39

第29話 USUGAKI


部活を引退し、のびのびと羽根を伸ばそうかと思っていた。

大会後の放課後、僕はまだ体育館にいた。

インターハイが終わって1ヶ月も経つと新人戦がある。

それまでの期間、新チームのサポートをお願いされたのだ。

前のように一生懸命やるというよりは

時間のある時に顔を出してボール出しなど裏方をやるのと

多少質問が来た時に答えてあげるという感じだ。

スパイク練やミニゲーム等には参加する。

コーチも人が変わったように優しくなった。

重圧から解放された今のバレーボールとは

ちょうどいい付き合い方だった。


花菜はしっかり部活をしているので

延長練習のない日は花菜と一緒に変える。


大会当日は花菜の打ち上げもあったので

サラッとした会話で終わっていた。


大会後しっかり話すのはこの日が初めてだった。


「改めておめでとう。でも次の試合があるから

 喜んではいられないよね。」


「ありがとう。バレー部もお疲れ様!

 しかも次はシード校めっちゃ強いんだよね。

実力でいうと相手が上。だから精一杯頑張ろうと思って。」


「勝つことを信じてるけど、精一杯やるのが大事だとおもうから、応援してる。頑張れ!

あと、大好きだよ、なんてね。」


「頑張れって言ってもらえるの嬉しいな。

わたしも大好きだよ。なんてね。」


次の会場は遠方で花菜達はバスで行くそうだ。

僕も電車を乗り継いだらいけないことはないが

かえって花菜に気を遣わせるの申し訳ないと思い

行かない選択をした。


花菜の最後の試合が長く続くようにと思いつつも

とにかくやり切ってほしい。ケガないように。

そう心の中で祈っていた。


翌日、学校行事は何かを待つことはなく

文化祭の準備が始まる。


3年生は出店とステージをやる必要がある。

出店は何となく恒例みたいなものがあり、

ホットドックに決まった。


ステージは劇が中心なのだが

一度主役はやったので主役はやらないと決めていた。


クラスの吉田が

僕とならお笑いやってもいい。と呟く。


吉田はクラスのムードメーカーで

男女分け隔てなく人気がある。


面白いことやってよ。とイジられた末に

呟いた一言だったのだが、

皆の視線が僕に集まり、逃げ場も無かったので

分かった。というしかなかった。


劇中に始まるコントとしてやる事にした。

役割的に3人欲しいということで

タカヤを引き込んだ。


基本的には吉田が台本を考えてくれる形で

要素や言い回し等をやりながら修正していく事にした


ウチの学校あるあるでまとめるか

広い層に分かりやすいものにするか

については少し議論になった。


僕はウチの学校あるあるに寄せるほうがいいのかなと思っていたが

吉田は誰もがわかるネタにしたいということだった。

タカヤはその吉田の熱に打たれ、

誰でもわかるネタに一票を投じた。


僕も強いこだわりがあるわけではなかったので

わだかまりなく納得した。

そもそも吉田がベースを作ってくれる訳でもあるし。


翌日、さっそく初稿をあげてきた。

読んだだけで面白さが分かり

吉田の才能に脱帽した。

そんな人間に意見をするなんて

題それたことをしたと自分を恥じる。


吉田は

「昨日夜考えたけど、ボケの要素に学校あるある入れるのはありかもしれない。どうかな?」と聞いてくる


「全然ありだと思う。深いのより浅めのがいいかもね」


なんてことはないアイデアだが

採用されると嬉しいのだな。と感じた。


吉田には必要ないかもだが

学校あるあるをいくつか書き出してみた。


先生の独特な口癖や

名前出すだけでウケそうな名物先生の名前

謎の校則やよくわからないラインナップの自動販売機

やたら大きい先生がやたら小さい車に乗ってる

など吉田も思いついているだろうが

自分にできることを少しでもと思って書き出した。


吉田は

「そういうとこが、いいよな。」と言って

快く受け取ってくれた。


次の日には

あるあるも足した台本が出来ていた。

あとは合わせながら修正していこう。

吉田はそう言って僕とタカヤに台本を渡してくれた。


5、6分くらいの持ち時間なので

ノート裏表で2枚くらいだったが

初めて貰った台本に心が踊った。


コントなどやったことはなかったので

実際合わせてみると

テンションや間、言い回し

テクニックが必要だと知り

面白いと自信を持って言うには程遠かった。


吉田は

まず台本を覚えることを宿題として出してくる。


僕は台本を覚えるだけでは弱いと思い、

テレビでネタ番組を録画し、

面白いコントをする芸人を何組が

穴が空くほど見て、研究した。


部活を引退し、胸の中に穴があいたようだったが

このコントの練習がその寂しさを埋めてくれるようだった。


文化祭まであと数週間。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ