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0.5%の恋  作者: まんぷくねこ


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第28話 番外編 ドキドキお泊り会

最後の試合も終わり

花菜との電話も終わった頃、

少し早い風呂を済ませて

3年間一緒に戦った友の元へ向かう。


電車で揺られる度に

部活での楽しかったこと辛かったことが

思い起こされる。


体験入部した時の部活の雰囲気

入部届を出した時の緊張感と高揚感

バレーシューズやサポーター

練習着を買い揃えたワクワク感


青アザになるくらい痛かった

腕も今では慣れてしまっていた

使わない筋肉ばかり使って

筋肉痛で階段を降りるのも辛かった日々、


いつの間にかそんな負荷にも

耐えられるようになった頃には

出来るようになる喜びよりも

出来ないことへの悔しさが増えていた。


効率的にも合理的にも出来なくて

部活を引退したという事実が

自分の視野を広げて

あーしたら、こーしたら

そんな後悔が自分を責める


電車の窓には見慣れた景色を

僕の気持ちを気にもとめず映し出す

そこに映る人も鳥も夕焼けも

僕のぐちゃぐちゃな気持ちに興味を持っていないようで

それが逆にありがたいと思った。


高校とシンタロウの家の最寄り駅を通過する。

その隣が栄えている駅で今日の待ち合わせだ。

練習試合や大会会場までの乗り換えや

花菜とのデートの待ち合わせによく来ている。


これから当分の間はここに来る回数も

少し減るかもしれないな。などと考えている間に

駅に着いた。


コータは電車一本遅れるようだった

ソウキはお店へ直接行くとの連絡があった

残りのメンバーは揃い、コータを待つ。

電車では少しアンニュイな気分に浸っていたが

部員がある程度集まるやいなや

ナオキが口を開く


「今日で部活引退することを後悔している。

 もっと本気になっていればよかった。自分が恥ずかしい。」


ナオキもやっぱり部活には

愛着があったのかと嬉しくなった。


「だって花岡高校のマネージャー見たか!?

 めちゃくちゃ可愛かった。

 今の今まで気づかなかったことを後悔している。

 自分が恥ずかしくて、情けない!」


そっちか。と内心でツッコんだ。

タカヤが続く

「そんな事いったらミゾキタのマネージャーもだぞ。

 もう会えないと思うと悲しい。」


「ミゾキタはずっと追ってたから、

 今日は心のなかでありがとう、バイバイって

 ちゃんと別れてきた」


シンタロウが

「案外、第一の優しそうな感じ好きやったなー。」

とボソッと呟く。


相も変わらない皆で本当に良かった。

間違いなくこのメンバーだったから

僕はバレーボール続けられて

バレーボールを好きに慣れたんだと思う。


そんな序盤戦のうちにコータがやってきた。


コータがやって来て

お店に移動する安くて美味しいで有名なファミレス。

少し人も待っていたが

コータが来ても待っている間も

他校のマネージャー談義で大盛り上がりしていた。


ようやく席に座り、程なくしてソウキもやってくる。

注文とドリンクバーを頼み皆ジュースを取ったところで

軽い乾杯をする。

ソウキが話の1つとして今日の試合に触れる。

サーブレシーブは比較的良かったが

サーブがうまくいかなかったり

コンビが合いにくかったなど

連携のミスは多かったかもだけど

個々は全力でプレーできて

気持ちよく引退できた。

そんな内容でまとまった。


反省会と思い出の振り返りはそのくらいだった

メンバーのいいところだが、

常に前を向いている所がこのチームの良さだった。

悪くいえば反省をしない。とも言えるが


ご飯が届く頃には高校内の話だった。

誰と誰が付き合って、別れたなどのゴシップの共有や

文化祭どんな事するか。

夏休みからは本気出さなければならないよな。

本当は今日からしてるやつもいるのかなど、

やりたくない受験勉強の話も高3らしく行った。


今日の悔いを上回るくらい楽しい時間が過ごせて

引退の日に楽しいお泊りイベントを入れたのは正解だった。

そう確信をした。


ご飯も食べ終わり

シンタロウの家に泊まる。

ソウキとユウスケは各々の事情でご飯のみ参加

ということだった。


シンタロウの家に着き

ご家族へ軽い挨拶を済ませたあとは

広い和室に通される。

シンタロウに呼ばれ、シンタロウの部屋から

テレビとゲーム機とプレーヤーを運ぶのを手伝った。

とりあえず目についたシンタロウの

中学の卒アルも忍ばせた。


シンタロウとテレビの接続をしてる間に

つまらないものですが等という薄いボケに乗せて

ナオキに卒アルを渡す。

シンタロウが中学時代から変わりないことに

ひと盛り上がりしたあとは

うちの高校に来た人をひたすら探していた。

意外とこの人がシンタロウと同じ中学だったのか。

なんてことを盗み聞きしながらセッティングを行っていた。


ゲームは定番の人気キャラのレースゲームに始まり

いろんなキャラを集めた格闘ゲームを

ワイワイ言いながら楽しんだ。


最終的には何となく始めた懐かしい機種のゲームの

1つのミニゲームが異様にツボにはまり延々とやっていた。


コータが笑いすぎて

喉乾いたジュースとかアイスとか欲しい。

と言ったことをきっかけに、

コンビニの一品をかけた負け上がりトーナメントを行った。

僕とタカヤが決勝で戦う。


お互い低い位置で接戦だったんだが

タカヤが「こないだ上田が男と歩いてた」とボソッと言う。

僕は「えっ」と集中力が切れて負けてしまった。

それどころではないと思っていたら、タカヤが

「よく考えたら、お前だった。」と言い

安堵の気持ちとやられたという気持ちで

2倍悔しくなった。


一笑いしたあと外に出る

夜のコンビニに向かうという

高校生にとっては非日常的なイベントと

少しだけ悪いことをしているような背徳感

高校に近いこともあって

いつもとは表情の違う通学路に

胸が高鳴る反面こそばゆい気持ちになった。


いつも使うコンビニに来る。

皆アイスやジュース思い思いに僕のかごに入れる。

僕は普段あまり食べないのに

モナカのアイスを選んでみた。


シンタロウの家に向かいながら

買ったものをあける。

皆に「ごちになります。」と言われ

案外悪い気はしなかった。


いつもは一緒にいない時間

部活という1つの節目を終えたこの日

なんだか月も綺麗に見えるそんな夜だったからか。


誰から始めたでもない本当のコイバナが始まる。

タカヤは吹奏楽部の吉岡さんと実は良い感じらしい。

他校に彼氏がいたのだが、

喧嘩ばかりでうまくいっていないという話を聞き

結局、吉岡さんは別れてしまい

その後一緒に帰ったり遊んだりするようになったらしい。

近々告白も考えているようだ。


シンタロウは同じクラスの河本さんが可愛いと呟く。

ダブルデートをして半年経った頃だったか

美香ちゃんとは別れてしまった。

その後浮いた話はなかったが、

新しいクラスで一緒になってから可愛いと思ったようだ。


ナオキは色んな女の子に目移りしがちだが

意外とモテるようで

実は3人くらい付き合ってた

そんな驚きの事実を発表した。

僕は花菜と付き合ってた安定感もあってか

これもまた実はだが、話をよく聞いてたので

大して驚きはなかった。


コータは最近はめっきり色恋はなくて

漫画やゲームにハマっているらしく

寝不足も多々あるとのことだった。

それもウキウキと話すので

とても楽しいのだろうなー。見守りつつ

夜ふかしはほどほどに、と一応言っておいた。


僕は花菜と一度揺らいでしまったことも

皆知っていることだったのでその事をメインに話した。

今はすごくいい感じで、

何となくこのままずっと一緒なのかな。なんて言ってみた

永遠なんてお熱いねーとイジられたが

お熱い感じというよりは

穏やかな日々というイメージの方が合っている気がした。


そんな話を赤裸々に話しつつ、家に着く。

そこからもゲームをまた始めるが

僕にとてつもない眠気が襲ってきていた。

みんなが盛り上がっている所を横目に

シレッと布団を引き眠りにつく。


数分なのか数時間なのか分からない

クスクスという笑い声が聞こえている気がした。

何やら顔に冷たい物が当たり

「うわぁ」と情けない声とともに目を開ける。


途端にバラバラと何かが僕の顔から落ちる感覚があった。

どうやら寝ている僕の顔に囲碁の碁石を順番に置いていったらしい。

反応的にはシンタロウが負けたようだった。

寝ぼけてよくわからない僕は

状況は飲み込むのに時間がかかった。


そんな夜の盛り上がりも程々に

みんな眠ることになった。

布団に入ってからも変なノリや

漠然とした進路の話もしながら

少しずつ意識が薄くなっていった。


朝起きたのは家を出たい時間だった。

焦りつつも人の家という気遣いをしながら

試合に間に合うように準備をする。


寝ているシンタロウに

一応声をかけてシンタロウの家を後にする。

朝が始まり少し暖かくなり始めた道を歩きながら

花菜が頑張ってるであろう場所へと向かった。


花菜の試合が終わり

シンタロウに連絡をする。

まだ皆いるということで

シンタロウの家に戻り

大会が終わるまでの時間をつぶすことにした。


上映時人気だった恋愛映画を

男5人で真面目に見ていた。

これを見たいわけではなかったが

昨日の楽しさの余韻を味わうにはちょうど良かったのだ。


日も傾きかけ、

恋愛映画に影響されたタカヤが

「俺、告白する。」と決心を固めた。

それだけでもこの惰性の二日目にも意味があった。

ちなみに、この告白は無事成功することとなる。


楽しい一泊二日はあっという間だった。

そしてこのメンバーでいられたことに

3年間共に過ごしたことに

心の中で感謝をした。

本人には伝えることはないが


ありがとう、部活の日々。

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