表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0.5%の恋  作者: まんぷくねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/41

第26話 ASAGI

少し遡り大会2週間ほど前

明日から練習に参加しようかなとしていた頃


花菜といつものように部活終わりに会う。


「もうすぐ大会だね。

部活ばっかしてた3年間だったのに

大会終わったらどうしよう。」


「本当だよね

部活終わったら、文化祭かー。」


「文化祭楽しみだよね!

今年花にするんですか?姫先輩?」


花菜が意地悪な笑みを浮かべて

姫先輩と呼ぶ。


「それはもう終わった話だよ。

まだなんにも決まってないけど

役とかじゃなくて

なんか楽しいことしたいなー。」


「楽しいことかー。なんだろうね。

あ、話し変わるんだけど」


花菜がモジモジしだす。

何か甘えたいことがある時だ。


「なーに?」


花菜の可愛いお願い事を聞くのは嬉しいことなんだ。

願い事を聞いたあとの嬉しそうな顔もたまらなく愛おしい。


「あのね、最後の大会だから

お互いにミサンガ作るのとか、どうかな?」


「うん、いいよ!作ろう!

花菜からのミサンガとか嬉しいし!

作り方知らないけど、分かった」


僕は2つ返事で答えた。


家のパソコンでミサンガの作り方を調べる。

HANA 4 と表現されたミサンガを

頑張って作ろうと思う


青と黄色の配色を目指す。

花菜のユニフォームが青だったからだ


大会まで時間もなく、

不器用な僕は

休み時間も家の時間もミサンガ作りに費やす。


クラスの友達が茶化してくるのも

適当にあしらって、

時間まで間に合わせる事に集中した。


時には部活のマネージャーの所まで行き

教えてもらう。


何とかできあがったミサンガは

自分が思ったよりもガタガタで

思ったよりも力作になった。


本当はもっと綺麗なものを作ってあげたかったが

これが限界のクオリティだ。


もう週末が大会だというタイミング

大会までに会える最後の日だった。


何とか間に合わせた自分を褒めてあげたい。


いつも通りの公園。


でも、部活が終われば

もしかしたらここで会う事も少なくなるかもしれない。

大会前なのにしんみりしたくないので

その話はしないことにした。


花菜が口を開く

「最後の大会が始まるね。

 私達はうちの高校が会場だから

 準備もしないとだし、勝っても負けても

 土日どっちもなんだよね。」


「それなら、さらに勝ちたいよね。

 頑張ってるのも精一杯やってきたのも知ってるけど

 頑張ってしか言えない!ごめんね」


そういって僕は手作りのミサンガを渡した


「わー、本当に作ってくれたんだ。

 ユニフォームの色になってる。

 かわいいね。嬉しいー!」


「名前、綺麗にしたかったんだけど、

 ガタガタになっちゃったごめんね。」


「全然いいよ HANAは読めるし!

 これは、、、」


「背番号の4だよ、なんかグニャグニャになったけど」


「あー、そっちかー。

 ねぇねぇ、こうやって見て」


花菜はミサンガを少し傾ける。


「この角度だとね4がハートに見えるの

 ハートにしてくれたのかと思った。」


少し照れながら言う花菜


僕は思わず抱きしめる。


「きゅうに、なにー?」


きっと最後という言葉が嫌だったのかもしれない

花菜を愛しく思う気持ちで胸をいっぱいにしたかった。


「大好きだよ、花菜。精一杯頑張ろうね。」


「うん。ありがとう。私も大好きだよ。」


ゆっくりと体を離す。


「私もミサンガ渡すね。それとこれも」


ミサンガと可愛い袋を渡される。


「ありがとう、これ何?」


「ちょっと早いけどハッピーバースデー!

 誕生日の日に会えるか分かんないから

 今渡そうとおもって」


「あ、誕生日か。ミサンガ作るのに必死で忘れてた

 ありがとうー、開けていい?

 でもその前にミサンガありがとう!」


緑色と青のミサンガ

文字は白だ。

3色も使うなんて、すごい。

ミサンガを自分で作ったからこそ分かることだった。


「めちゃくちゃ嬉しい!しかも上手だしかわいい」


「慣れたら難しくないよ」


「慣れるまでが大変だよ

 本当にありがとう」


僕は早速足につけた。


バレーボールは手につけられないから

足につけて靴下で隠す。


「なんか上手になった気がする」


「そんなわけないよー」


花菜も微笑む。


僕は袋に手を伸ばして

開けていい?とアイコンタクトをする

花菜もゆっくりと頷いてくれた。


袋の中には

高校生の間で流行ってるブランドの財布だった。


「おサイフだ!」

単純な感想しかでなくて少し恥ずかしかったが

素直に口から出てきた。


「流行ってるし可愛いからいいかなって思って」


「すごくうれしいよ、ほんとにありがとう!」


僕は今使ってる財布から新しい財布に入れ替えようとする。


「家でやればいいのに」


「早く使いたくてさ」


お金やお店のカードなどを次々入れ替える

そして一番取り出しにくいポケットをあける。


そこには小さなビニールの袋に入った

紙の束が出てくる


「なにこれ?」

花菜が興味津々に聞いてくる


「花菜からの手紙とか落書き

 全部取ってるんだ」


「そんなの取ってるのー」

花菜は満更でもなさそうな顔で笑っている


あの時捨てなくてよかった。

心からそう思う。


「これからも集めるよ」


そう言って花菜から貰った財布の一番奥のポケットに入れ込んだ。


「あ、そうだ。もちろん勝つために頑張るんだけどさ、

 もし負けてしまったら、その日の夜にシンタロウの家で

 泊まるんだよね」


「それはそれで楽しそうだね。」


「バスケ部はうちの高校で大会なんだよね。

 もしそうなったら次の日行こうかな。

 私服だからコソッとだけど。」


「えー、すごい嬉しい。でも試合には勝つのが一番だね。」


「もちろん!今回は珍しく花菜より部活を優先する。」


「フフ、そうだね。悔いのないように頑張ろうね。」


そんな話をして、大会前最後の寄り道は終わった。


花菜が反対のホームに消えていくのを見送って

僕のホームに歩き出す。


あっという間だった部活生活を思い返す。

最後の大会の幕が上がる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ