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0.5%の恋  作者: まんぷくねこ


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第24話 SHINONOME

驚くほど早い3月が終わった。


僕たちは高3になった。

最後の青春だなんて、

この先の未来も楽しい事が待っているのに

あの頃の僕は想像する事も出来なかった。


何もかもが最後になり

1つずつ終わっていくこと

大人に近づいていくことが

嫌で嫌で仕方なかった。


ただ、矛盾しているけど

花菜との日常が幸せで

早く花菜と大人になって

もっと幸せな日常をと

待ち遠しく思う自分もいた。


僕は花菜も部活も高校生活も

1つずつ噛み締めていこう。

そう決心をした。


決心した割に

僕の日常は穏やかだった。


大きな事件もない

喧嘩をするわけでもない

何かビッグイベントがあるわけでもない。


いつものように

公園で他愛ない話をしながら

花菜の隣りに座っている。


ある日、花菜がポツリと口を開く。

「ショウに告白された」って。


「えっ!」

思わず大きな声を出す。


そんな素振りも全く気づかなかった。


勿論、僕と付き合ってる事も承知の上で

奪いたいとかそんな気持ちでもなく

ただショウの中で気持ちに折り合いをつけたかったみたいだ。


ショウは良い人だし、

これからも仲良くしたい。

ただ少し複雑な感情になった。


花菜はショウになびいている素振りもなく

悩んでる感じでもない。

ただ事実として僕に伝えたのだと思う。


「そっか、花菜は魅力的だからね。

好きになってしまう人はいるよね。

でも、花菜を幸せに出来るのは

僕だけだから。なんてね。」


本当に照れたこともあり、

なんてね、を拝借する。


「うん、ありがとう。

私の事、幸せにしてね。なんてね。」


花菜はこちらを見ずにそう呟いた。


「もしかして照れてる?」


そういって花菜の顔を覗く。


目が合った途端、

痛くない強さで叩かれた。


4月のある日、

同学年が全員集められる。


前には

茶色に染めた私服の男性と女性が数人座っている。

みんな卒業生で今大学生の人たちのようだ。


大学生活はどんな感じか

勉強をいつから始めたとか

志望校をいつ決めた

みたいな話をしてくれた。


ただ、僕はそんな話に心は躍らず

最後の大会に向けての練習について

ぼーっと考えていた。


女性の先輩が

どうやら元バスケ部で

花菜は半ば強制的に質問をさせられてるようだった。


花菜は恥ずかしがりながら

大学の部活やサークル、

バスケットとの向き合い方などを質問していた。


その日の部活終わりも花菜と話しながら帰る。


「受験とか志望校とか考えてる?」


花菜は僕にそんな質問を投げかける。


「んー、全然何もわかんない。

今日の話を聞いても

実感がわかないっていうか

まだ考えらんないな、正直」


「そうだよねー。

でも、考えなきゃいけないよね」


何となく息苦しい話だった。

僕は遠くない未来から目を逸らしたくて、


「でも、今は最後の大会あるからさ。

まずはそこからかな。


そっから文化祭あってー

体育大会あってー

郊外遠足あってー」


「全部遊ぶことばっかじゃん。」


花菜は思わず吹き出す。


「でも、そうだね!

目の前のことも頑張んないとだね!」


花菜が笑顔を取り戻したことにホッとした。


そう、まだ大丈夫。

その時が来たら頑張る。

きっと頑張れると思うから。

そう言い聞かせて、

進路のことは忘れることにした。


桜もすっかり散り

夏に向けての準備を始めている。


僕の高校最後の1年が幕を開ける。

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