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0.5%の恋  作者: まんぷくねこ


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第12話 番外編 マネージャー獲得大作戦

少し話は戻って、春休みの最中。


部活終わりに、バレー部の一年全員が空き教室に集合していた。

首脳会談のように重たい空気が流れる。


教卓にはナオキとタカヤが立っている。


僕は窓側の席に座り、

窓の外でサッカー部が練習しているのを眺めていたら――


「おい、聞いてるのか!」


ナオキに怒鳴られた。


「俺たちはチームだ。

皆同じ方向を向かなければ勝てないんだ!」


熱く語る。


ちなみに、バレーボールの話ではない。


黒板には大きく、


マネージャー獲得大作戦


と書かれていた。


まだ見ぬ後輩に向けての作戦会議、真っ只中である。


ナオキは続ける。


「今、我がバレーボール部は未曾有の危機にさらされている!

この戦いに勝てなければ、破滅の二文字しか残らない。

何としてでもマネージャーを獲得しなければならない。

でなければ夏を待たずして死す!」


妙に弁の立つナオキのスピーチに、

なんとなくメンバーは一丸になった。


「最悪、部員は捨て置け。マネージャーだけでもよい」


「それは言い過ぎ」

ユウスケがツッコむ。特進クラスで部活に入っている珍しい人間だ。


「まぁいい。作戦を発表する。

だが我々にできることは少ない。

ビラ配りと部活動紹介だけだ」


ナオキは黒板を叩く。


「ビラ配りはキャッチーなイラストで勝負だ!

準備できるな、ソウキ!」


唯一のバレー経験者で絵が上手いソウキは、

何も言わず力強く頷いた。


「ビラは何とか用意する。他の部活は入学式しかビラを配らないらしい。

我々は一歩早く動く。制服の採寸日だ!」


制服の採寸は午前中、部活は午後。

体育館を使うため、自然と人が集まる。


「早めに学校へ参れ!体育館前でビラを配る!」


「それ、ルール的にどうなの?」

コータが聞く。


「ダメとはどこにも書いていない!合法だ!」


ナオキは胸を張る。


「入学式は二段構えだ。

先頭とシンガリにチーム分けしてビラ配りだ」


「でも、ナオキ……」


「隊長と呼べ!」


「隊長……ビラの用意は300枚って言われてるけど……」

うちの高校は大体500人。男子だけで250枚。

予備を入れて300枚は妥当な数だった。


「その通りだ。しかし問題ない。

約1000枚用意する。」


ナオキのその行動力は、社会で通用すると思った。


「部活動紹介はどうするの?」

シンタロウが聞く。


「手を挙げて発言しろ。……安心しろ、考えてある」


ナオキは僕の方を見る。


「こいつだ。女子ウケする顔をしている」


決してイケメンとは言ってくれない。


「普通の部活動紹介は我々6人で行う。

最後に登場して、

“マネージャーもぜひ来てね”ってウインクくらいやってやれ」


荷が重い。

断れる空気はない。

渋々了承する。


「我々はそこで終わらない。

もう一つ手を打つ。

ダイレクトマーケティングだ。」


部活動紹介後、

一年生の教室に乗り込むらしい。


「そこで手当たり次第、見学しに来ないかと聞きまわる。

これで盤石だ」


盤石ではない。

全然盤石ではない。

でも、誰も止めない。


「みなのもの、準備進めよ!」


――そして迎えた採寸日、入学式、部活動紹介。


誰もが疑っていたにも関わらず、

驚くほどうまくいった。


途中、先生から事情聴取があったものの、

ナオキの熱弁で何とかくぐり抜けた。


ちなみにビラは、

そもそもビラを配らない部活と手を組んだらしい。

お菓子と引き換えに。


その結果――


延べ見学者は女の子20人。

他の部活がざわざわしていた。


後輩は8人入部することになる。

そのうちマネージャーは2人。


ミッションは成功し、

後輩だけでチームもぎりぎり作れる。


ナオキがどこまで見据えていたのか分からないが、

バレーボール部は安泰となった。

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