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5階周回

 ダンジョン5階に出現するボスモンスターで、風魔法攻撃をしてくるゴブリンメイジ。初見でノーダメージクリアした俺にとって、ゴブリンメイジ討伐はもはやただの作業である。


 火の魔法が使える妖精石を持ち、ゴブリンメイジが放つ風の攻撃をよけつつ距離を詰める。そして、妖精石の攻撃の範囲内にゴブリンメイジが入ったところで、炎召喚。

 ひん死のゴブリンを剣で一突きすると、宝箱が現れる。


「さて、次は何が入ってるかな~」


 もう、俺にとってゴブリンメイジは宝箱のオマケ。

 

「あー。胸当てか……」


 5階の宝箱から出るのは、ワイバーン装備ばかり。たまに武器がまじっているけど、ほとんど防具。


 ワイバーンの革でできた胸当ては1つ持っているので、これは買い取りに出す。

 すでにワイバーン革のグローブとヒジあて、ワイバーンの革ベルト、ワイバーン革のズボンを手に入れている。リュックの中身を全部着たら全身ワイバーン。


 まだ見ぬワイバーン。ありがとう。


 宝箱の中身を回収したら、6階へ続く階段を上らずエレベーターで1階へ。

 1階は初心者が必ず来る場所だけど、今の季節は新規登録者は少ないと言っていた通り、誰もこない。ダンジョンでこっそり休憩するにはもってこいの場所だ。モンスターの出現ポイントも決まっているから、安全だし。


 5階を周回してみた結果、ボス部屋から移動して10分間はボス部屋の扉を開くことが出来ない。同一人物だからなのか、別人でも同じルールなのかはわからないけど、ボス復活まで10分は必要のようだ。


 その間毎回ダンジョンを出るのは面倒だし、1階で読書しているとあっという間に10分以上経過するので、ゆったり周回できる。


「さて、そろそろ行くか」


 休憩ついでにスケルトンを倒し、そのまま1階のエレベーターから5階へ移動。

 再びゴブリンメイジを狩る作業に戻る。


「ブーツ! いいね」


 ワイバーンの革でできたブーツが手に入った。

 驚くことに、宝箱から出てきた品は全て俺にジャストサイズ。ブーツもサイズぴったり。そして履き心地もいい。


 木の皮でできたショボい初期装備をリュックに放り込み、新しいブーツで気分一新。


 実際のワイバーンはとても強いらしいので、俺の全身コーデの素材を集めるとなったら大変だ。すでに加工された品がタダで手に入るダンジョンってすごいと思う。


 10回目のボス戦が終わったところで、持ってきた火の妖精石が全てなくなった。休憩をはさんでいるので俺の魔力は枯渇しないですんだけど、使い捨ての妖精石は使えば壊れる消耗品。


 本当はもっと欲しかったけど、1人5個までの注意書きがあったから仕方ない。


 ダンジョンから出て、管理事務所の受付でドロップアイテムの買い取りをお願いする。やってきたのは前回俺に白金貨を見せてくれた鑑定士さんだった。


「こんにちは。今日も買い取りお願いします」


 前回言われた通り、テーブルの上に鑑定するものをすべて出す。


 ワイバーンの胸当て、木製の細い弓、鉄の剣、木の杖、指輪。


「全部買い取りでお願いします」


 タブレットの鑑定機能ですでに鑑定済なので、全部俺にとって必要ないものだと分かっている。残念ながらタブレットは買い取り価格を教えてはくれないけど。


「では、拝見しますね」

「はい」

「ワイバーンの革でできた胸当ては、銀貨50枚です」

「はい」


 やっぱり、相当ぼったくってるな、ダンジョン商店街。同じものを買おうとしたら、金貨が必要だったぞ。


 町の店を探し回れば妖精石がもう少し安く手に入るところがありそうだ。魔力回復薬を売っている錬金術師の店にも行きたいし、今度また買い物に行こう。


「ニイの木でできた弓は銀貨20枚。鉄の剣は銅貨25枚、コスモモの木の杖は銀貨50枚です」

「それで大丈夫です」


 未使用でも銅貨25枚の鉄の剣、ちょっと悲しい。


「これは、銅の指輪ですね。魔法効果は、自然回復力微弱上昇。銅貨10枚になります」

「微弱ってどのくらいですか?」

「んー。個人差がありますからねぇ」


 自然回復力に今のところ不満はないし、やっぱり売ろう。


「こちら全て買い取ってしまってよろしいのでしょうか?」

「はい。かまいません」


 テーブルの上の商品を全て端によけて、鑑定士さんは銀のトレーにお金を用意した。


「金貨1枚、銀貨20枚、銅貨35枚です。お確かめください」

「はい、確かに」


 トレーの上のお金を受け取ると、テーブルの端によけられた商品が鑑定士さんの指示で奥に運ばれる。


「それでは、次の取引をお待ちしております」

「ありがとうございました」


 宿に帰って、チャットを確認。


 最近はアルファが順調にハーレムを築いていて、グレンは村長夫人と怪しい雰囲気になり、ロージーは聖女ちゃんと恋の予感で、ギュードンの反応を含めていろんな意味でチャットがとても楽しい読み物と化している。




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