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1945年から来た者



……


ほとんど光の届かない部屋で……


俺は服を身にまとったまま立っていた。


目の前を見つめながら……


ただ、考えていた。


……


俺の人生は――


戦争そのものだった。


殺し。


策略。


そして、何度も繰り返された暗殺の試み。


……


そうだ。


あの第二次世界大戦の中で……


俺は信じていた。


この国は、もっと高みへ行ける。


いつか、誰よりも上に立つ国になれる。


そう信じていた。


俺は、百年先まで続く未来を築こうとしていた。


二度と、俺の国の人々が……


尊厳を失ったまま生きることのないように。


それが、俺の思い描いていた未来だった。


……


絶望の底から這い上がり……


俺は頂点まで登った。


この国を、世界でも指折りの大国にした。


その名を聞くだけで……


誰もが恐れるような国へ。


……


だが――


いつからだっただろう。


すべてが、少しずつ狂い始めた。


誰もが、自分の考えだけで動くようになった。


そして将軍たちでさえ……


国の未来よりも、自分自身の未来を優先するようになった。


国のために掲げてきた、あれほどの約束も……


結局は、空っぽの看板にすぎなかった。


……


国がどれだけ勢力を広げても……


そこから離れようとする者たちを、俺一人では抑えきれなかった。


法に背く者たちを取り締まる役目は、将軍たちに任せていた。


法は厳しかった。


だが……


その厳しさこそが、戦争の始まりから俺たちを勝利へ導いてきたものの一つだった。


……


それでも……


一つだけ、どうしても答えが出なかった。


では……


その将軍たち自身を、誰が律する?


……


戦争が長引くほど……


犠牲は増えていった。


暗殺など、いつしか日常になっていた。


毒を盛られた食事。


銃口。


毒物。


……


そして……


俺のすぐそばにいる人間でさえ、


いつの間にか敵に見えるようになっていた。


……


俺のやり方は、間違っていたのか?


崩れかけた国を立て直すために……


力を使うことは、間違いだったのか?


自由に、一体何の意味がある?


その自由のために戦うことすらできないのなら……


何のために生きる?


……


始まりの頃。


何千もの人々が、俺を崇めた。


だが、終わりが近づくにつれて……


誰もが俺を恐れるようになった。


俺自身を恐れていたわけじゃない。


敵の勢力が……


少しずつ、こちらへ傾き始めていたからだ。


……


新たな敗北の知らせが届くたびに……


国民の心は、俺から離れていった。


……


なぜだ?


俺は……


俺のすべてを、この国のために捧げたはずだ。


この身も。


この魂も。


この情熱も。


……


絶望に沈んだ国を、もう一度立ち上がらせようとした人間は……


こんなふうに報われるものなのか?


……


誰もが逃げた。


誰もが連合国側につこうとした。


その一方で……


枢軸国の軍勢は、崩れ落ちていった。


……


そして最後まで残った俺は……


ただの抜け殻になっていた。


国を捨てることを拒み……


最後まで、この国のために残った肉体。


だが、その魂は……


敗北とともに、すでに砕け散っていた。


……


そうだ。


赤軍が進軍し……


街が包囲されたあの日。


俺の前に残された道は、一つしかなかった。


死ぬこと。


逃げない。


そして……


この身を、敵に晒すこともない。


……


俺は、この国で成り上がった。


ならば――


この国で、終わる。


……


もう、俺の運命を変えられるものなど何もなかった。


勝利と敗北に塗れた俺の人生は……


そこで終わった。


……


それでも……


俺は一つだけ残した。


自分の名を。


人々の記憶に残る、畏怖の名として。


……


あの国は……


戦争が終わったあと、どうなったのだろう。


最後まで残った者は、誰だった?


逃げ出した者は、誰だった?


……


だが……


そんなことを考える余裕など、


死を目前にした俺にはなかった。


……


そして――


闇が訪れた。


果ての見えない、暗い回廊。


……


だが、目を開けたとき――


俺は、この世界にいた。


そして……


封じ込めていたはずの記憶が、


一気に押し寄せてきた。


逃げることのできない記憶。


答えを見つけられない疑問。


……


なぜ、俺はここにいる?


ここは、どこだ?


俺は……


死んだはずじゃないのか?


俺を取り囲んでいる、この人たちは誰だ?


……


家族?


父親?


母親?


兄弟?


……


前の世界では……


もう俺には存在しなかった人たち。


……


俺は、この世界に選ばれたのか?


そもそも……


ここは、一体どんな世界なんだ?


こんな場所が……


本当に存在するというのか?


……


俺の頭の中は、疑問で埋め尽くされていた。


まるで、底の見えない海のように。


俺はその中で……


毎日、ただ一人……


助けを求めることもできず、


静かに溺れ続けていた。


……


それでも……


俺は、もう一度この世界に馴染もうとした。


あまり深く考えないようにした。


もし、この人たちが俺の新しい家族なのだとしたら……


受け入れよう。


もう一度、生きてみよう。


……


――そう思っていた。


……


だが……


また、すべてが変わった。


俺の家族は……


根も葉もない罪を着せられた。


裁判すらなく。


何の罪もないまま……


殺された。


そして、村も失われた。


多くの人々が死んだ。


……


また……


この感情を味わわなければならないのか?


どうして俺は、もう一度生まれた?


同じ悲しみを味わうためなのか?


……


心臓が、激しく鼓動を打ち始めた。


……


この感覚……


これは……


あの頃と同じだ。


終わることのない――


圧政。


……


腐りきった場所があるなら……


そこを見つけ出す。


そして……


一つずつ正していく。


……


俺の中で……


何かが、再び目を覚ました。


かつての俺――


あの頃の自分が。


……


……いや。


本当に、そうなのか?


……


俺は、廊下の先にある光へ手を伸ばした。


……


「……違う」


「あの頃の俺が、戻ってきたわけじゃない」


……


「むしろ……」


「俺は、この感覚を……」


「ずっと、待っていたのかもしれない」


……


もう、俺の中に押し込めておくことを望んでいなかった。


何かが、俺に囁いている。


すべては偽りだ、と。


……


俺が生きている限り。


俺という存在が、この世界にある限り。


……


安らぎなんてものは、存在しない。


……


息をするたびに……


俺の人生は前へ進む。


そして……


人生が進めば、また陰謀が生まれる。


人が殺される。


家族が引き裂かれる。


……


だから――


それは、再び外へ出ることを望んでいた。


かつての姿へ戻ることを。


……


何の努力もせずに勝者になったと思い込み……


自分の過ちさえ、他人に押しつける者たち。


そんな者たちから……


安らぎを奪い去ることを。


……


そうだ。


俺の中にある何かは……


それを望んでいた。


……


すべての人間が、恐怖に沈むまで。


その心に、恐怖を植えつけるまで。


……


そうだ……


俺の心は……


目の前にある、この光と同じなのかもしれない。


……


あと一歩。


この光へ踏み出せば――


俺は、また戻る。


……


これが……


俺の人生だ。


そして……


この人生を、恥じるつもりはない。


……


俺は……


間違っていたのか?


……


その問いから、俺は目を逸らした。


そしてこれからも……


きっと、目を逸らし続ける。


自分の目的のために。


……


そして――


部屋の扉が開いた。


その瞬間……


すべてが変わった。


……


「紳士淑女の皆様……」


「ようこそ――」


「『新たなる始まり』の会合へ」


……


そう。


今の俺の目的は――


俺にこの感情を味わわせたすべての者たちの心に……


恐怖を植えつけることだ。

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