第二十話 「フローズンドラゴン2」
俺たちはまだ、『氷結聖竜」と戦っていた。
猛吹雪の中このドラゴンと戦うのは、体力を大きく消耗してしまう。
このまま消耗戦になると死ぬのは確実だ。
俺は、
「くそっなぜ、炎属性の攻撃が入らない?」
と焦りでイラつきながら言うと。
近くのパーティーのお兄さんが
「おそらく、炎攻撃無効のバフがかかているからですよ。確か、本によれば『氷結聖竜』のブレスには自身に炎属性の攻撃魔術を一切無効にするという効果がある。と書いていました。」
それを俺はその男の言葉を信じて『岩砲』を放つと見事に命中し、『氷結聖竜』も少しひるんでいた。
それを見たほかのパーティーの魔術師も、同じように炎属性の攻撃魔術をやめ、岩属性魔術などを使って戦った。
だが、それでもなお、氷のブレスを吐きつ続けて多くの人を氷漬けにして殺している。
人数も最初の半分ほどになってきた俺は、ギャバスに『氷結聖竜』に剣で攻撃してと、頼んだ。
今まで、立ちっぱなしでただただ見ているだけだったギャバスも周りの圧に負けしぶしぶ攻撃に出た。
ギャバスの一太刀は、『氷結聖竜』の眉間に深い傷を入れ、大きくひるませた。
その瞬間に俺は、俺たちはその眉間の傷に向かって最近使えるようになった最上級魔術の『聖水牙』を放った。
その『聖水牙』は鋭い牙が獲物を引っ搔くのように素早く真っ直ぐと『氷結聖竜』の、眉間に向かって行った。
眉間に当たると『氷結聖竜』の動きが止まり、すぐに落下してきた。
俺たちは歓喜の声あげたり、抱きしめあったりと大いに喜んだ。
俺は、落下した『氷結聖竜』の死骸をあさり始めるとランスターが、
「おい、このドラゴン…体に傷があるぞ。」
「当たり前じゃん。今さっき倒したんだから」
「いいや。背中の傷だ。さっきの戦いで誰一人として背中部分に攻撃をしていないはずだ。それに、見ろこの背中の傷に付着しているこのキラキラしているもの。間違いない、この傷は『宝石聖竜』によるものだ。おそらくさっきの戦いの前についたものだな。だとすると…」
と考え込むとすぐに
「気をつけろ!まだ、この辺に『宝石聖竜』がいるかもしれない!」
と他のパーティーに聞こえるような大声で叫んだ。
だが、他のパーティーは、一切物怖じせずに
「は?ラッキーじゃん。何か危ないわけ?」
と男が言ってきたが時すでに遅し、吹雪の中その男の背後に大きな影が映った。
俺たちはその影に驚いているとその男が後ろを向いた。
次の瞬間その男がきれいに4つに別れた。
そこから飛び出した血はキラキラしていてなぜか美しかった。
そして、吹雪の中から現れたのはさっきの『氷結聖竜』をしのぐ大きさの全身虹色に輝いている『宝石聖竜』だった…
登場生物紹介
【ジュエリードラゴン】
種族:ドラゴン族
全長:20m~35m
ドラゴンの中でも1,2を争うレベルで大きいく、知能や防御力、攻撃力も非常に高い。生息域は非常に広いが、個体数が非常に少ない。ジュエリードラゴンの骨は魔法薬学で非常に重宝されており、非常に高価で取引されている。
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