149、乗っ取られたレジャズベ
149、乗っ取られたレジャズベ
「おい、レジャズベの、しっかりせい! お前ら4人がかりで負けてんじゃねえぞ!」
「ギャギャッ、幽体の家電達など何人束になろうと実物タマシールのオレ様にかなうわけないギャッ」
「ウウッ、くそっ」
「おいおい、冷蔵庫に洗濯機、あと扇風機と炊飯器の犬っころ、大人しくしていないと大爆発するギャよ」
「……」
町が吹っ飛ぶほどの大爆発がおこれば、マーキングベフでリーちゃん達を残し、学校に瞬間移動した意味がなくなってしまう。
いや、それどころか、カミテレコンでレジャズベちゃんを呼び戻したらその爆心地を自分のところにするようなものだ。
「じゃ、呼ぶわよ」
「おう、いつでもいいぞ」
サンヨー達サンシャインスリーは、念のため武器を構えて答えた。
ポチ
ボン
「あ、おかえりーレジャズベちゃん、アイツどうなった? やっつけた?」
「ああ、あんなの秒殺だ……」
「やったね! でも顔が変だよ、疲れたぁ?」
リーちゃんは、いつもと違うレジャズベの表情に違和感を感じながらも、嬉しそうに駆け寄ろうとした。しかしその間にダイトコが割って入り、両手を広げ制止した。
「お前ら待てっ! コイツは、レジャズベは……」
「どけ、邪魔だギャ」
ギン!
「ガッ!」
魔人オカマに乗ったられたレジャズベは、立ちはだかるダイトコを氷漬けにして真横に吹き飛ばした。
目の前で何が起こったのか理解できないリーちゃん達は、思わず後ずさりして言った。
「レジャズベちゃん! 何てことを、いったいどうしたの」
「ギャギャッ、おい聞かれてるぞ、説明してやれギャ……リーちゃんゴメン、オカマに体を乗っ取られたんや……逆らったら町ごと吹っ飛ばすって……逃げてー早く逃げてー」
「そ、そんな……ダメよ、レイちゃん達を見捨てて、逃げられる訳ないじゃない!」
たとえ全速力で逃げても、「魔人レジャズベオカマ」となってしまったアイツは絶対追っかけてくるだろうし、体がレジャズベちゃんだから、こっちから攻撃もできない。
そう思っていると、悲しそうだったレジャズちゃんの顔は再び冷酷な表情に変わり、リーちゃん達めがけて氷の礫を撃ちまくる。サンシャインスリーは反撃することもできず、防戦一方だ。
逆らえばボクらが大爆発……リーちゃん達はヒエール様特製の戦闘スーツを着ているが、爆発に耐えられるという保証はない。
自分たちの体を好き勝手に使われているレジャズベは、その様子を見ながら必死で考えた。
何とか攻撃を止めないと。ん?
「そうか、アイツはボクの、レジャズベの体に張り付いて体を乗っ取ったって言ってたけど……実際乗っ取られてるやん……いや、ダークパワーを注入されて脅されてるだけや。ヤツとバビエオもしてないしボクらの考えてることも伝わってないはず……でも逆らったら爆発するんでしょー?」
確かにレイちゃんの言うとおりだ。レジャズベはダークパワーを注入され体の自由は奪われてはいるが、心までは支配されていない。もともと魂が入っていた魔人オカマのタマシールにはそこまでの力は無いようだ。
「ほな、どないすんねん……今ヤツは戦うのに夢中やから、ちょっと野菜室の中に手を出してっと……えーっそんな事できるのー?……シーッ」
そう、レイちゃん達は家電達だ。手足は2本づつ、なんて決まりはない。レイちゃんは魔人オカマに気づかれないよう、こっそりと野菜室の内側に手を生やし何かを取り出した。
「あっ、それは……タマシール、リーちゃんが落としたやつねー……何を思いついたんや」
ジャブ君に聞かれたレイちゃんはタマシールの裏紙を剥がしながら言った。
「思いついたんとちゃう、あいつが、あいつの声が聞こえたんや。一瞬やけど……あいつってだーれー?」
そう言ってレイちゃんは、野菜室の壁にタマシールをペタッと張り付けた。タマシールは眩い光を放ち、レジャズちゃんの体に新しい魂を定着させる。そして光が治まると懐かしい声が……!
「ただいまーみんな久しぶり……っておい、その声は五重丸か?……キャー! お化けだー」
なんと、新しいタマシールで定着されたのは、ついさっき死んだ五重丸の魂だった。
「どうしてもエンディングが見たくってさ、成仏しないでフラフラしているうちにタマシールが残っているのを思い出して、ちょっとレイちゃんに憑いて囁いてみたんだ……憑いたー? 気色悪るー」
「ギャーッ、テレビッ! お、お前ら何を勝手なことを、大爆発するギャッ!」
「そうはいかないよ、テレビの魔法はもう使えないけどタマシールのパワーは新しい分こっちの方が上だからね」
異変に気付いた魔人オカマはフルパワーでダークパワーを注入しようとするが、五重丸のタマシールのパワーにはかなわない。そして、ついに。
ペリッ




