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第7話:「四十五社の支配者と、影の資産」

第7話をご覧いただきありがとうございます!


松岡物産との契約から数年が経ち、治臣の裏の資産はなんと年間二十二億五千万円(四十五社分)という途方もない規模にまで拡大していました。前世のトラウマを力に変え、経済の裏側を完全に掌握していく主人公の圧倒的な無双感をお楽しみください!

あれから数年の月日が流れ、治臣は二十二歳となっていた。


西園寺グループの次期後継者としての実務を完璧にこなしつつ、彼の裏での活動は、もはや一つの巨大な組織と言っても過言ではない規模にまで膨れ上がっていた。


松岡物産との契約を皮切りに、治臣は業界内で不正やセキュリティの脆弱性を抱える企業を見つけては、独自の「アルカトラズ・プロトコル」で侵入し、その弱みを次々と握っていった。


表向きは西園寺グループの優秀な若きエグゼクティブ、裏では数多のライバル企業をコントロールする影の支配者。


気がつけば、治臣と個人的なコンサルティング契約――という名の事実上の上納金契約を結んだ企業は、グループ全体で四十五社に達していた。


各社から年間五千万円ずつ支払われるコンサル料は、スイスやケイマン諸島などに巧妙に分散された治臣個人のペーパーカンパニーの口座へと、誰にも知られることなく毎月確実に振り込まれている。


「――年間、二十二億五千万円か」


深夜のプライベート・ラボ。モニターの青白い光に照らされながら、治臣はスイスの銀行口座の残高を示すグラフを眺めていた。


画面に表示された桁違いの数字は、前世で一円の借金に苦しみ、生きる希望すら奪われて首を吊った自分を嘲笑うかのような莫大な富だった。しかし、今の治臣にとって、その数字は単なる誇示のためのものではない。それは、二度と誰にも足元をすくわれないための「絶対的な盾」であり、自分の人生を完全に自分のものとしてコントロールするための自由の切符だった。


「お金があれば、理不尽な不幸も、冷酷な裏切りも、すべて紙幣の重みでねじ伏せることができる」


治臣はグラスに注がれたウイスキーを傾け、静かにつぶやいた。前世の絶望と恐怖をバネにして築き上げたこの要塞は、もう誰にも揺るがすことはできない。


しかし、どれほど莫大な資産を築き上げ、どれほど完璧なビジネスの仕組みを構築しても、彼の日常がすべて満たされているわけではなかった。


富と権力を手に入れた治臣を、周囲の人間は「完璧な若き帝王」として称え、恐れた。だが、その冷徹な仮面の下にある孤独や、過去のトラウマに気づく者は誰もいない。父である重光も、ビジネスのパートナーとしての一目置く態度は見せるものの、そこに家族としての温かな交流は存在しなかった。


そして何より、彼には幼い頃から家同士の取り決めによって自動的にあてがわれていた、一つの「足枷」とも呼ぶべき存在が控えていた。


(……そろそろ、顔を出さなければならないか)


西園寺家の跡取りとして、旧華族の令嬢である婚約者・三月との定期的な顔合わせの予定が、明日に迫っていた。治臣は静かにモニターの電源を落とし、暗くなった部屋の中で深いため息をついた。


圧倒的な富と力を手に入れた男の前に、やがて「本当の愛」と「偽りの関係」の境界線を揺るがす、運命の歯車が静かに動き出そうとしていた。

第7話「四十五社の支配者と、影の資産」をお読みいただき、ありがとうございます!


莫大な裏金を手に入れ、外見も能力も完璧なエグゼクティブへと成長した治臣。しかし、その心の中には前世の絶望からくる冷ややかな孤独が根付いています。そんな彼に用意された「政略婚約者」とのフラグが、次回いよいよ本格的に動き出します。

次回、第8話では、金目当てで冷徹な婚約者・三月との顔合わせが描かれます。お楽しみに!

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