外伝第14話:「星降る夜の裏側」
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本編最終話のプロポーズの直後、裏で起きていた世界規模のサイバーテロの兆候を、治臣がわずか十秒で完全に消し去るダークヒーローの一面を描く緊迫のエピソードです。主人公の圧倒的な強さと英美里への深い愛のコントラストをお楽しみください!
窓の外に広がる満天の星空の下、英美里と永遠の愛を誓い合い、彼女を優しく抱きしめたあの幸福の絶頂からわずか数分後。
治臣はプライベート・ラボの奥まった別室のデスクに一人で座っていた。先ほどまでの穏やかな恋人の顔は消え失せ、彼の瞳には再びすべてを射抜くような冷徹な光が宿っている。
目の前の湾曲モニターには、世界中の暗号通信網から集まった不穏なパケットの奔流が映し出されていた。
――国際的なサイバーテロ組織「ファントム・アイ」。彼らは、治臣が旧華族の不正や海外ファンドの買収工作を粉砕したことで、世界中の金融システムに生じた「わずかな歪み」を嗅ぎつけ、西園寺グループのメインサーバーに対し、過去最大規模の分散型サービス拒否(DDoS)攻撃と身代金要求を仕掛けようと牙を剥いていたのだ。
(……せっかくの美しい夜に、愚か者どもが水を差す気か)
治臣は低く呟くと、キーボードへと両手を伸ばした。
彼が構築した「アルカトラズ・プロトコル」は、もはや単なる防衛システムではない。それは敵の存在そのものをデジタル空間から消し去るための、絶対的な処刑プログラムだった。
治臣の指先が美しいリズムで鍵盤を叩く。
ファントム・アイが世界各地に隠し持っていた十三個の拠点のサーバー、そのすべてのバックドアに逆侵入を果たした。組織のリーダーたちが「一体何が起きている……! 防御壁が破られるだと!?」と慌てふきめく音声データが、治臣のイヤホンに小さくノイズ交じりで届く。
「お前たちの存在そのものが、私の描く未来のノイズだ」
治臣が最後のリターンキーを冷徹に押し込んだ瞬間、世界中のファントム・アイのサーバーが同時に物理的な過負荷を起こし、煙を上げて完全に焼き切れた。テロ組織のネットワークは、わずか十秒足らずで地球上から跡形もなく消滅した。
脅威の完全なる消滅を確認すると、治臣はパソコンの画面をスリープ状態にし、すっと立ち上がった。
数分前までの修羅場が嘘のように、部屋の中には静寂だけが戻っている。
彼はジャケットを整えると、再び愛する英美里が待つリビングルームへと足音を忍ばせて戻っていった。世界を裏から守る冷徹なダークヒーローの戦いは、誰にも知られることなく、今日も完璧な平穏の中に溶け込んでいくのだった。
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幸せな日常の裏側で、世界を揺るがす脅威を一瞬にして葬り去る治臣の圧倒的なカッコよさが際立つ回となりました。どんなピンチも彼にかかれば日常のルーティンに過ぎませんね。
次回、いよいよ外伝シリーズ最終話。星月文庫の新しいオフィスで英美里と並び、治臣が心に誓う永遠の平穏と未来へのプロトコルが描かれます。どうぞお楽しみに!




