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外伝第12話:「かつての借金取りの影」

外伝第12話をご覧いただきありがとうございます!


前世で治臣を追い詰めた悪質な闇金業者・黒川が、現在の治臣の圧倒的な力の前にすべてを奪われ、因果応報の末路を迎えるスカッとする復讐劇です。主人公の徹底的な報復をお楽しみください!

雨上がりのしっとりとした夕暮れ時。都内の高級レストランから少し離れた裏通りで、一人の男がタバコの煙を吐き出していた。

男の名は黒川。かつて、前世の治臣を追い詰め、不当な高金利の取り立てと冷酷な脅しによって精神的にズタズタへと引き裂いた、あの悪質な闇金融の元締めだった。


当時の黒川にとって、気弱な学生だった治臣を脅すことなど造作もない日常の遊戯にすぎなかった。


しかし、その後に治臣が西園寺家の次期当主として急浮上し、財界の表舞台へと駆け上がったという噂を聞きつけたとき、黒川は一瞬だけ冷や汗をかいたものの、「所詮は子供の気まぐれだろう」と高を括っていた。


(ふん、いくら西園寺の御曹司になったところで、昔の弱みでも握ってゆすってやれば、まだいくらでも油田から金を吸い出すように絞り取れるはずだ……)


黒川は、かつての記憶を武器に再び一儲けしようと、密かに治臣の動向を調査していたのだ。しかし、彼がどれだけ調べようとしても、治臣の現在の身辺に関する情報は鉄壁のセキュリティに阻まれ、一切掠りもしなかった。


その時、黒川のスマートフォンがけたたましく鳴り響いた。

画面に表示されたのは、彼が経営する裏金貸付のフロント企業すべての銀行口座の残高通知だった。


「……は? なんだこれ……?」


画面に並んだ数字を見て、黒川の顔から血の気が一気に引いた。

全ての口座の残高が、一瞬にして「ゼロ」へと書き換えられていたのだ。それだけではない。


彼がこれまで隠し持っていた裏帳簿、税金逃れの不正データ、そして過去の違法な脅迫や暴力の証拠のすべてが、警視庁の特捜部および国税局のデータベースへとリアルタイムで直結し、自動送信されていた。


「うそだろ……おい、冗談じゃねえ……!」


パニックに陥った黒川が慌てて電話をかけようとした瞬間、彼の目の前にある街頭の大型ビジョン、そして周囲のすべてのデジタルサイネージが一斉にノイズを立てて黒く染まった。

画面に映し出されたのは、冷徹な一文だけだった。


――『過去の亡霊が身の程をわきまえずに這いずり回るなど、見苦しい限りだ』


「っ……! まさか、お前は……!」


黒川が絶望に満ちた声を上げたその時、背後から黒塗りの高級セダンが音もなく滑り込んできた。車内から現れた屈強な男たちに両腕を掴まれ、黒川は抗議する間もなく、そのまま暗闇の中へと引きずり込まれていった。


すべてを失い、かつて自分がいた人間よりもさらに底辺の闇へと叩き落とされる黒川。

かつて無力だった少年を踏みにじった代償は、あまりにも重く、そして容赦のない絶望となって彼の人生を完全に終わらせたのだった。

外伝第12話「かつての借金取りの影」をお読みいただき、ありがとうございます!


前世のトラウマの元凶であった悪党が、今の治臣の神がかったハッキングと権力の前になす術もなく消え去っていく姿が描かれました。過去の清算を完璧にやり遂げるダークヒーローとしての容赦なさが光る回でしたね。


次回、外伝第13話では、英美里との未来を確信した治臣が、誰にも知られず最高級のサプライズを水面下で完璧に準備する裏の苦労話が描かれます。お楽しみに!

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