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第12話:「旧華族の崩落と、絶縁の宣告」

第12話をご覧いただきありがとうございます!


英美里を傷つけた代償として、三月とその実家の旧華族が隠していた不正の証拠を容赦なく突きつける治臣。圧倒的な権力と知略で、すべてのしがらみを完全に粉砕する爽快な断罪劇をお楽しみください!

西園寺グループ本社の広壮な応接室。窓の外に広がる夕景を背景に、重苦しい沈黙が支配していた。


そこに座るのは、顔色を失った三月の父親であり、没落しかかった旧華族の当主である男と、冷徹な眼差しをたたえた西園寺重光。そして、その中央に立つ治臣の纏う空気は、周囲の人間を圧倒するほどの殺気を孕んでいた。


「――西園寺くん、いきなり呼び出して一体どういうつもりだ。いくら君が次期当主だからといって、我が家に対するこのような無礼は……!」


当主の男が震える声を絞り出すが、治臣は微動だにせず、ただ冷ややかな一瞥をくれただけだった。


「無礼? どちらが無礼か、このデータを見れば理解できるはずですがね」


治臣が手元のタブレットを放るように机へ滑らせた。画面に映し出されたのは、旧華族としてのブランドを保つために裏で手を染めていた脱税の証拠、違法な資産売買の記録、そして三月が個人的にブランド品を買い漁るために流用していた不正資金の数々だった。


男の顔から血の気が完全に引いていく。


「なっ……! これはいったいどこで……!」

「我が社の情報網を舐めないことだ。あなた方の家が抱える負債と不正の証拠など、数分あればすべて丸裸にできる」


治臣はゆっくりと立ち上がり、冷酷に言い放った。


「本日ここへ呼んだのは他でもない。あなた方の娘・三月との婚約を、本日付で完全に破棄する」


「な、何を言っているんだ! 婚約破棄だと!? 西園寺家との繋がりがなくなれば我が家は終わりだぞ! それに、三月があの子をどれほど想って……」

「私を想っていたのではなく、私の背後にある『西園寺の財産』を想っていたのだろう」


治臣の低い声が、部屋の空気を凍りつかせた。


「彼女は先日、私の大切な社員であり、かけがえのない人に泥を塗り、屈辱を与えた。私にとって、利益も生まず、ただ傲慢に他人を踏みつけるだけの人間など、一文の価値もない」


その時、応接室の扉が勢いよく開き、息を切らせた三月が飛び込してきた。彼女は青ざめた顔で治臣にすがりつこうとするが、その冷たい瞳を見て足がすくむ。


「治臣さま……! なぜですわ!? 私はあなたの婚約者よ! あの平社員の女のせいで、私を捨てるというのですか……!?」


「最後まで自分の過ちに気づかないとはな」


治臣は三月を見下ろし、容赦のない言葉を突きつけた。


「君がやったことは、ただの嫉妬による嫌がらせではない。私にとって最も触れてはならない領域に土足で踏み込んだ愚行だ。この証拠を警察と国税局に持ち込まなかっただけでも、最後の温情だと思いなさい」


「ひっ……!」


三月は崩れ落ちるようにその場に膝をつき、声を殺して泣き崩れた。しかし、治臣の瞳には一筋の憐れみすら宿っていなかった。


すべての因縁を断ち切り、西園寺家と旧華族のしがらみをも自らの手で粉砕した治臣。過去のトラウマに縛られていた少年は、いまや誰にも止められない絶対的な力を持つ者として、真の自由を手に入れていたのだった。

第12話「旧華族の崩落と、絶縁の宣告」をお読みいただき、ありがとうございます!


利害関係と傲慢さに満ちた婚約関係を自らの手で終わりにした治臣。前世の無力だった自分を完全に克服し、大切なものを守るための「真の力」を見せつけたクライマックスとなりました。

次回、いよいよ物語は感動の最終局面へ。治臣と英美里が迎える結末とは――?

次回更新もどうぞお楽しみに!

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