第14話:静寂を破る断末魔
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その夜、無月家の広間は異様な静寂に包まれていた。無月江戸は椅子に座り、影のような存在が用意した茶を静かに啜っている。その目の前では、黒鉄の赤い糸に縛られた草薙新と小百合が、伽椰子の冷徹な視線にさらされていた。
「話せ」江戸は低く、逃げ場のない圧を孕んだ声で命じた。「裏切りのすべてを語れ」
伽椰子の力に抗えず、追い詰められた新が、ついに重い口を開き始めた。震える声が、一族の暗い秘密を暴いていく。
「お前の父親……無月一成は、長老たちが行っていた禁忌の儀式の秘密を知ってしまったんだ。奴らは自らの寿命を延ばすために禁じられた力を使っていた。一成はそれを止めようとした。だから奴らは、お前たちがインドネシアにいる間に始末することを決めたんだ!」
江戸は沈黙し、その苦い真実を噛み締めた。「……つまり、このすべての悲劇は、長老たちの強欲のためだったというわけか」
伽椰子が江戸の傍らに立ち、その気配はより濃厚に、そして鋭く膨れ上がる。次の瞬間、新と小百合は二人の手によって最期を迎えた。広間に訪れた静寂は、復讐の第一幕が幕を閉じたことを告げていた。江戸と伽椰子は、同じ宿命に結ばれた者として寄り添い、敵を倒したことでその絆をより深めていた。
二人の死は、すぐに一族の知るところとなった。本拠地では、彼らの血統の消失を告げる聖なる封印が砕け散った。
報告を受けた草薙クランの当主は、激しい怒りに震えた。
「我が血筋に手を出すとは、何たる不届き者か!」
しかし、彼は江戸と伽椰子の力が侮れぬものであることも理解していた。彼はすぐに、古の強大な力を持つ天照クランへ連絡を入れた。
「我らには共通の敵がいる」
密談の場で当主は告げた。「無月の継承者が、おぞましき力と共に目覚めた。奴らが制御不能になる前に、協力して根絶やしにせねばならん」
巨大な同盟が結成された。数百人の構成員が動き出し、世界で最も恐れられる二人を狩るべく、最強の武器と術を整え始めた。
江戸は屋敷の縁側に立ち、暗闇を見つめて薄く笑った。
「連中が動き始めたぞ、伽椰子。準備をしておけ」
傍らに立つ伽椰子の瞳に、強い決意が宿る。二人が共にいる限り、彼らを分かつ力など存在しないのだ。




