設定紹介②
2度目の設定紹介です。主に第3章にかかわる範囲で紹介しています。第2章の設定紹介と合わせてお読みください。
登場人物紹介
ルシウス・ユリウス・ユスティニアヌス
元帝国の皇子で、ユスティニア大公国の若き大公。前世はキャリア官僚で道路維持に尽力していた。空間共有のギフト『箱職人』に加え、『農地整備』『道路敷設』などの強力なインフラオリジナル魔法を駆使する。合理主義的な性格で、帝国への奉仕を巧みに大公国の利益へ繋げる。何よりも「死にたくない」という思いが強く、生存確率を高めるために徹底した安全策や後方支援の体制を講じる。
ルーク・フォン・ファビウス
ルシウスの筆頭家臣で、現在はファビウス侯爵領を治める侯爵。ルシウスの型破りな行動や無茶な魔法運用に振り回され、呆れつつも実直に従う。前線に立つ諸侯軍の構築を進める一方、自身も魔力を絞り出して領地の開拓を精力的に推し進める。帝国側の不条理な要求に対しては率直に憤るなど、主君への忠誠心と人間味にあふれた苦労人。ナルセス将軍の訓練の苛烈さをよく知る。
コルネリウス・フォン・ルプス
ルシウスの有能な家臣。公都の開拓や河港インフラの整備を任されつつ、自身のルプス子爵領(キルキウス地方)の開拓も並行して行う。領内の食糧自給率や労働力不足の懸念をルシウスに直言する。ルシウスの魔法『農地整備』と貸与された瑞獣ルパルクスを巧みに扱い、寒冷地でありながら小麦、ジャガイモ、商品作物の甜菜などの大豊作を成し遂げる。
エレナ・フォン・リーゼ
ルシウスの家臣で、オルガ河の水運整備を統括する女性。過密スケジュールで無理難題を課されがちだが、見事にやり遂げる内政の立役者。帝国に近いリーゼ伯爵領を治め、帝都スラムからの先遣移民2万人を受け入れて大規模なジャガイモ農地を確保・大収穫を達成した。彼女の尽力によりスラム跡地は帝国最大の河港へと生まれ変わり、大公国への大量難民移送の基盤が築かれる。
サリウス
獣人。南のシルバニア大陸の密林を統べる族長の息子。外の世界に憧れて家出し、帝都のスラムで日雇い生活をしていた12歳の少年。狐のような耳と尻尾を持ち、泥濘を苦にしない並外れた脚力を誇る。ルシウスの私物を盗んだことで捕まるが、飯に釣られて家臣となる。ナルセス将軍の地獄の特訓を生き抜き、高い戦闘技術と兵法を習得。スラム出身の若者を率いる近衛騎士団の指揮官へと急成長する。
ティベリウス・ユリウス・マグヌス
ユリウス帝国の第一皇子であり、公正で有能と評判の摂政。ルシウスの成果を正確に評価し、公の場で賛辞を述べる一方で、腹の底が見えず不気味な政治力を持つ。ルシウスに対し、大公国の独立を明文化する地位協定の締結や、帝都スラム街の割譲、南方遠征での兵站・街道敷設の軍役を課すなど、巧みに大公国を動かす。現在、後継者となる御子がいないことが帝国内の問題となっている。
カシウス・ユリウス・バルブス
帝国の第三皇子。ルシウスを敵視・嫉妬しており、嫌がらせのために帝都最悪のスラム街をルシウスに押し付けた。元老院で大見得を切り、サラキア岬を回る交易の要衝であるパドマ河デルタを押さえるべく、南方の少数民族への征討を主導する。傲慢で思慮が浅く、ルシウスが後方の兵站やインフラ整備を喜んで引き受けた真意に気づかず、勝ち誇っている。
マルクス・ユリウス・アッピウス
ルシウスの兄。帝都の『花の離宮』を管理しており、大公国の経済を陰から支える技術協力者。おっとりとした風貌ながら、尋問のコツを心得ており、美味な食事を使ってスリを働いたサリウスを一瞬で懐柔するなど、老獪で油断のならない一面を併せ持つ。
マリー(雷光のマリー)
マルクスが管理する『花の離宮』で働くメイド。ナルセス将軍の孫娘。厳格な老将軍である祖父に対しても物怖じせず、仕事中にデレデレになる将軍を気楽な声で軽くあしらう。サリウスを尋問する際には、マルクスの指示で焼き立ての白パンやローストチキンなどの豪華な食事を運び、彼の空腹を刺激してあっさりと口を割らせるアシストを決めた。
ナルセス・フォン・マルケルス
帝国軍随一の猛将で、元老院『世界樹派』の領袖。現皇帝の幼馴染でもあるハイエルフ。圧倒的な威厳を放つ老将だが、孫娘のマリーには弱い。帝国一苛烈を極めるブートキャンプ(地獄の訓練)を主催し、獣人のサリウスや、世界樹派から集まった貴族の子弟たちを徹底的に鍛え上げる。
世界観・技術・地名説明
アウレリア大陸
本作の主な舞台。数世紀にわたり繁栄を謳歌してきた「ユリウス帝国」が、大山脈を境として大陸のほぼ南半分を版図に収めている。西部はモンスーンと偏西風の恵みによって湿潤で高い農業生産力を誇るが、東へ行くほど乾燥した気候となり、剥き出しの岩肌が目立つ不毛なパルティア半島へと繋がっている。
シルバニア大陸
アウレリア大陸から「地中海」を挟んだ先にある広大な大陸。奥地には広大なジャングルが広がっており、狐のような耳と尻尾を持つ「獣人」たちが独自の掟を守りながら静かに暮らしている。アウレリア大陸南部(ユリウス帝国)とは活発な交易がある。
ユスティニア大公国
ルシウスが直径2百キロのクレーター盆地を開拓した新興国。中央の公都から8本の放射状街道と2重の環状道路が各都市を繋ぎ、要所を直轄地で押さえつつ四方を四大侯爵領ら貴族家が治める。大森林の水力を活かした紡績業や最高級生糸が主要産業で、四歩輪作の導入やインフラ魔法、帝都スラムからの大量の移民受け入れにより、爆発的な人口増加と劇的な農業革命を伴う空前の好景気に沸いている。
ユリウス帝国
アウレリア大陸の南半分を版図とし、数世紀にわたって繁栄を謳歌してきた大帝国。モンスーンと偏西風に恵まれた湿潤な西部では高い農業生産力を誇る。しかし、大山脈以東の乾燥地帯では東方の遊牧民に手を焼いており、南方のパドマ河デルタの少数民族による反乱にも長年悩まされている。実質的な統治は摂政の第一皇子ティベリウスが担っている。
パルティア半島
帝国の東端に突き出した乾燥した孤立高原。樹木がまばらで剥き出しの岩肌が目立つ不毛な土地。帝国の重装騎兵の侵入を阻む険しい地形であり、ここを根城とする遊牧民が「トリウマ」と呼ばれる鳥形の魔物に跨り、岩地を自在に駆け回りながら弓で帝国軍を翻弄する。半島の先の多島海は香辛料や真珠の産地だが、海賊が跋扈する危険な海域でもある。
エンポリオン
帝都最南端の、オルガ河とレヌス河が合流する泥濘の沼地(旧スラム街)を、ルシウスが再開発して築き上げた巨大な物流拠点。ルシウスの離宮がある。白い大理石風の硬化石で舗装された埠頭と規格化された倉庫群が並び、大公国からの大型輸送船が直接接岸できる。大公国から運ばれる大量のジャガイモ、薪、炭、魔石や、レヌス河を通じて届く東部の小麦や羊毛が集まる、帝都の新たな台所。
四歩輪作
ルシウスが大公国へ移住させた移民たちに徹底させた最先端の農業技術。主食の小麦のほかに、ジャガイモやサツマイモといった芋類、さらにカブや豆類を組み合わせて栽培する。これにより、土地の栄養(地力)を枯渇させることなく、常に何かしらの作物を安定して収穫することが可能となり、大公国全体の食料生産高を劇的に爆増させた。
近衛貴族(近衛騎士)
帝国の皇族が『世界樹の加護』によって独自に叙爵できる特別な爵位。一代限りの高級官僚や直轄軍の将兵という扱いで、世襲の領地貴族とは異なり、自身の家臣にさらに爵位を与える権能を持たない。皇族一人につき最大5120人まで叙爵可能。ルシウスは大公国の国力を高めるため、サリウスをはじめとするスラム出身の若者や精鋭を鍛え上げ、千人規模の近衛騎士団の結成を目指す。
領地貴族
皇族から爵位と土地を与えられ、世代を超えて領地を治める世襲貴族。叙爵されることで、主君であるルシウスが創造した『農地整備』などのインフラ魔法を行使する権能を得るため、大森林盆地の開拓において主役となる存在。ルシウスは『世界樹派』の有力諸侯から、教養があり家臣団を引き連れてこられる次男坊以下の子弟を家臣として積極的に登用している。
インフラ魔法(農地整備・道路敷設・地盤改良など)
ルシウスが創造した独自のオリジナル魔法体系。戦闘用の攻撃力は一切ないが、範囲内の岩や廃材をまとめて物質変換の上で転圧し、高層建築にも耐える強固な地盤に変える『地盤改良』や、泥濘を硬化石製の石畳に変える『道路敷設』など、極めて強力な内政・土木能力を持つ。この魔法を付与された貴族や近衛騎士団を運用することで、戦時における迅速な陣地構築や工兵能力としても機能する。
もし「続きが気になる!」「面白い」と思っていただけましたら、画面下部の「ブックマーク追加」や、評価の「☆☆☆☆☆」を★★★★★にしていただけると、執筆のモチベーションになります!
どうぞよろしくお願いいたします。




