閑話 設定紹介
第2章は20話で完結です。次章からは、ルシウスが帝都に呼び出されます。
ここまでの登場人物、世界観の設定をご紹介します。誤字脱字、キャラに対する要望等がありましたら、コメント等よろしくお願いいたします!
【登場人物紹介】
1.ユスティニア大公国
ルシウス・ユリウス・ユスティニアヌス
ユスティニア大公国の領主。物資輸送や収納が可能な秘密のギフト『箱職人』と、独自のインフラ魔法を駆使する。魔境とされる大森林盆地の開拓を前人未踏の速度で推し進め、巨大な領邦国家の建設を目論む。元は帝国を追放された身だが、その圧倒的な経済的・物流的偉業で中央を震撼させつつある。
ルーク・フォン・ファビウス
ルシウスの乳母兄弟であるエルフの青年。明るい体育会系のノリだが地頭は良く、ルシウスのオリジナル魔法や能力を深く理解する唯一無二の相棒。魔境へ付き従い筆頭家臣として「侯爵」に叙爵される。ルシウスに振り回されつつも、その圧倒的なインフラへの執着を信頼している。
エレナ・フォン・リーゼ
オルガ河上流を縄張りとする水上傭兵団の若き女団長。没落貴族の血を引く。かつて自分たちの暮らしを守ってくれたルシウスの「本物の目」を信じ、団員や家族総勢80名を率いて大公国へ就職。男爵に叙され、法と秩序、そして最強の「工兵部隊」を率いて港湾都市を統治する。
コルネリウス・フォン・ルプス
大公国の内政と実務全般を統括する要。元は皇統派のカシウスに仕える近衛貴族(高級官僚)だったが、冷遇されていたところをルシウスに見出され引き抜かれた。極めて緻密な分析力と高い行政指揮能力を誇り、大森林開拓の論功行賞において男爵から子爵へと陞爵し、さらなる手腕を発揮する。
2.ユリウス帝国・世界樹派
マルクス・ユリウス・アッピウス
帝国の第三皇子(公爵)でルシウスの同腹の兄。ギフト『飼育員』を持ち、魔素を静める聖獣ルパルクスの卵を送り、弟の長城建設を支えた。亡き母の離宮を守りつつ、追放された弟の開拓劇を温かく見守る。別腹の兄である、摂政ティベリウスの公正すぎる統治の裏にある真意を鋭く警戒している。
マリー(雷光のマリー)
マルクスに付き従う黒髪のハイエルフ。自称、「男の子の夢を詰め込んだ身体」を持つ。可憐な容姿とは裏腹に、「雷光」の異名を持つ帝国最強の魔法使い。底知れない膨大な魔力を誇り、大森林盆地で暴走していた巨大なドラゴンを、極大魔法の一撃で容易く沈めるほどの圧倒的な戦闘力を有する、世界樹派の最高戦力の一角。
ナルセス・フォン・マルケルス
帝国元老院議員を務める黒髪の老将で、ハイエルフ。世界樹派の領袖。ルシウスの大森林開拓を「誰もなしえなかった偉業」と最高級の評価を下す。カシウスの無謀な遠征計画や、ルシウスの功績を過小評価するカティリーナら若手貴族の軽薄さに、不快感を持っている。
3.ユリウス帝国・皇統派
ティベリウス・ユリウス・マグヌス
帝国摂政であり、皇統派が次代の皇帝に担ぐ正室の子(第一皇子)。カシウスとは母が同じ。かつてルシウスを大公位という「名誉ある追放」に追い込んだ老獪な権力者。皇統派の首魁と目されるが、ルシウスの開拓に対し、水運整備の支援など公正で協力的な動きを見せる一方、カシウスの無謀な遠征提案には熱狂の渦中で一切表情を変えないなど、その真意は底知れない。
カシウス・ユリウス・バルブス
帝国の第四皇子で、ユリウスの別腹の兄。追放したはずのルシウスが、魔境である大森林を驚異的なスピードで開拓し、独自の勢力を築きつつある事実に激しい嫉妬と焦りを募らせる。対抗心から元老院で、大義名分のない東夷・南蛮への無謀な二正面遠征計画をブチ上げ、自身の軍功と勢力拡大を狙う。
カティリーナ
カシウスの側近である皇統派の若手貴族。常に軽薄な微笑を浮かべ、民の生活を軽んじる悪い意味で典型的な貴族的人物。カシウスの無謀な遠征計画を熱狂的に称賛し、ルシウスが成し遂げた経済的・物流的な偉業を過小評価したため、老将ナルセスからは侮蔑的な評価を受けている。
【世界観・設定】
大森林盆地
一万二千キロにおよぶ大山脈のど真ん中に位置する、直径200kmの巨大なクレーター盆地。太古に巨大な魔石が直撃したため極めて濃密な魔素に満ちており、強力な魔物が跋扈する前人未踏の魔境だったが、開拓に成功すれば山脈を南北に貫く巨大なバイパスとなり得るポテンシャルがある。ルシウスの追放先にして本拠地。
オルガ河
大山脈および大森林盆地から流れ出る大河。濃密な魔素を運ぶため下流に肥沃なグラティア平原(帝国の穀倉地帯)を形成しており、大公国においてはオスティアや各宿場町を繋ぐ水運・物流の大動脈。帝都付近でレヌス河と合流する。
世界樹のギフト
世界樹よりハイエルフだけが授かる固有の特殊能力。ルシウスの『箱職人』やマルクスの『飼育員』など多岐にわたる。能力の秘匿や活用法が勢力を左右する。なお、ハイエルフなら男女問わず誰でも授かるが、後述の「加護」は男性皇族のみに与えられる特権である。
叙爵の加護(世界樹の加護)
帝国の男性皇族のみに与えられる、「爵位を授ける(叙爵する)ことで、一般の人間にも魔法を行使可能にする」という世界樹の権能。ルシウスが側近のルークを侯爵に叙爵し、道路敷設などの魔法を操らせているのもこの加護によるもの。オリジナル魔法の行使者を大量に生み出す帝国の軍事力の基盤。
ユスティニアナ大公国
帝国を追放されたルシウスが領主(大公)を務める国家。かつては人間を寄せ付けない魔境だった大森林盆地を、ルシウスのギフト『箱職人』と独自のインフラ魔法、そして聖獣ルパルクスにより前人未踏の速度で開拓。巨大な防壁や都市、河港を建設し、圧倒的な経済・物流拠点を築いて帝国中央を震撼させつつある。
ユスティニアナポリス
東西南北に約5km、想定人口50万人の規模を持つ大公国の城郭都市(公都)。中心には政庁や宮殿を置く内壁が設けられ、幅100mの大通りを含む幹線道路が碁盤の目状に配置されるグリッド式の都市計画が特徴。内壁と外壁の間の12の大街区には広場や治安維持のための交番が設置され、当面は水陸交通の要衝である「南東区」が優先的に物流・商業区として開発されている。
オルガ街道
オスティアから大森林盆地までを繋ぐ、全長50キロメートルにおよぶ高機能な街道。幅10m、砕石層と硬化石による金属並みの強度を持つ複層構造で、周囲の魔素を吸収して自己修復する機能を持ち、完璧な排水・下水道システムが統合されている。なお、盆地に入るとユリウス街道と呼ばれる。
アッピアの長城
大森林盆地をぐるりと囲む丘陵地帯に建設された、全長600キロメートルにおよぶ白い巨大な防壁。マルクスから贈られた瑞獣「ルパルクス」の群れによって僅かひと冬で完成し、盆地内の魔素を安定させ魔物の出現率を激減させる役割を果たしている。
ユリウス帝国
建国から1300年以上を誇る大陸屈指の大帝国。世界樹の加護により、皇族が持つ固有魔法(オリジナル魔法)を行使できる魔法使いを大量に生み出せるため、圧倒的な軍事力を有する。現皇帝で初代から数えて3代目だが、現在は病に臥せっており、実質は第一皇子で摂政のティベリウスが国政の実権を握る。
オスティア
ユスティニア大公国の物流を支える最重要拠点。オルガ河の上流に位置し、元水上傭兵団長のエレナが統治を任されている。かつては魔境の入り口であったが、現在は法と秩序が敷かれ、大森林開拓で得られた物資や人員が行き交う河港都市へと発展を遂げている。
テヴェレ
帝国北部における水陸交通の要衝。帝都から大公国に向かう場合、まず陸路でテヴェレまで向かい、ここで船に乗り換えてオルガ河を北上するルートになる。劣悪な港湾設備にルシウスが怒り狂っていたが、摂政ティベリウスの協力も得つつ、エレナによって近代的なインフラを備えた河港へと変貌した。現在は世界樹派の貴族が治めている。
クィンタ (第5の宿場町)
オスティアから大森林盆地へと繋がる「オルガ街道」のほぼ中間に位置する、第5番目の宿場町。一辺1kmにおよぶ堅牢な城壁と水堀(天然の船着き場を兼ねる)で囲まれており、街道計画における防衛・経済の最重要拠点として機能している。
ポルタ・アウストラ (第9の宿場町)
大森林盆地の入り口に位置する、オルガ街道第9番目の宿場町。大公国領の表玄関(門)となる重要な都市であるため一辺2km(クィンタの4倍の面積)の広大な規模で設計され、将来的に5万人規模を収容できる物流・防衛の拠点を担っている。
瑞獣ルパルクス
マルクスのギフト『飼育員』が産み出した卵から孵り、ルシウスの膨大な魔力を吸収して誕生した神聖なる白銀の聖獣。周囲の荒れ狂う魔素を穏やかに鎮める特殊な生態を持つ。ルシウス率いる大公国軍の防壁建設や大森林の開拓において、魔物の襲撃リスクを劇的に抑え込む極めて重要な役割を担う。
「魔物」と「魔獣」
魔物と魔獣は、どちらも体内に魔法器官を有し、魔石を内包するという点では同じであるが、前者は知性を有しない、いわゆる「魔法が使える動物」を指す。一方、後者はドラゴンやルパルクス等の知性を有する魔法生物で、人間に家畜化されているものも多い。東方の遊牧民が駆るのは馬ではなく、魔獣であることから、岩がちな地勢も相まって騎馬での征伐が困難となっている。
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