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イケメンでモテるけど直ぐ振られる男子と、地味目だけどモテてすぐ振る女子のお話  作者: tosa


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他人に興味を持ち始めたイケメン

 つい先日、クラス内で声を出して泣き笑いしていた暗い性格と専らの評判の女子。その1件以降、その女子はクラスメイトから少しずつ話しかけられるようになった。


 その契機を与えた東魁優仁《とうかいまさひと》の存在は大きかったが、暗めの女子は戸惑いながらもクラス内で会話を交わすようになって行った。


  女子の名は佐為北楓《さいきたかえで》。韓国系アイドルイケメン顔の麻痺棚俊《まひたなしゅん》の新しい彼女だった。


「······ほ、本当に佐為北さんが麻痺棚君の新恋人なの?」


 図書委員の戸室坂《こむろさか》まひると麻痺棚俊は、図書室の貸し出しカウンターに並んで座りながら密談を行っていた。


「本当なんだ。俺も自分で驚いてる。今までの彼女って美人系か可愛い系だったから。佐為北さんみたいなタイプは初めてだよ。でも彼女の名誉の為に言うけど、佐為北さんって眼鏡を外すと結構可愛い目をしてるんだよね」


  淡々と新恋人の話をする俊をまひるは凝視する。今、俊が語っているのは単純な事実なのか、それとも惚気なのかまひるには判断がつかなかった。


「ど、どう言う経緯で付き合う事になったの? まさか麻痺棚君から告白したとか?」


「そこやっぱり気になるよね? 告白は佐為北さんから。俺も告白された時は普通な顔をしていたけど、内心ではかなり驚いてたんだよね。まさか佐為北さんが俺に? って感じでさ」


 人気の無い物理の実験室の前で佐為北楓から告白された俊は、告白してきた割には冷静な表情をしていた楓に提案をした。


 何度かデートをしてそれから付き合うかどうか決めないかと。楓はかなり面倒くさそうな顔でそれを了承した。


「え? ちょっと待って麻痺棚君。告白してきた佐為北さんが面倒くさそうだった? なんでよ?」


「そう思うよね? 俺もその時それが最大の謎でさ。告白をする人の顔って、緊張や期待、不安がごちゃごちゃに混ざった表情をするよね? それが佐為北さんは最初から最後まで台詞が棒読みでさ。何なら早く帰りたいって空気を出してたよ」


 謎の態度を見せる楓に、俊は興味を持ち2度デートをした。その中で楓が俊に告白した理由が明かされた。結論から言うと、楓は俊の事を好きでもなんでも無かった。


「佐為北さんは自殺をする気だったんだ」


「はあ? じ、自殺? 佐為北さんが? で、でも何で自殺する気なのに麻痺棚君に告白するのよ?」


「佐為北さんは自殺する前にいつも普通は絶対にやらない事をするんだって。言うならば彼女の儀式みたいな物かな? 今回は学年で1番のイケメンに告白する事。らしいよ」


「ぎ、儀式? 今回は? って事は、自殺行為は初めてじゃないって事?」


「うん。彼女、これまで6回自殺未遂をしたらしいよ。彼女普通に見えるけど、右肘と左足首に障害があるんだ。飛び降りした時の怪我でね。日常生活は支障ないらしいんだけど。あと頭も打って視力もかなり落ちたらしいよ」


「ろ、6回? 自殺未遂が? ちょ、ちょっと待って麻痺棚君。頭の処理が追いつかないわ」


「だよね? 俺も最初それを聞いた時に軽くパニックになったよ。それで彼女、自殺を決行した日を自分の誕生日にしているんだって」


「た、誕生日? じゃ、じゃあ。本当の誕生日を入れて合計······」


「7回。彼女、年間7回の誕生日があるんだって。この前彼女の誕生日を祝う為に図書委員の当番を休ませてもらったでしょう? その日も彼女の自殺未遂誕生日の日だったんだ」


  俊から次々と明らかにされる驚愕の事実に、まひるは顎の痒みをこの時忘れていた。


 


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