373話 6月25日#02
――俺と、レイ、リア、テン、ソラの5人は、朝食が終わるとすぐに、リビングに集合した。
「……私が思うに、この文に使われている単語の一部は、既に知られているはずだ」
以前『太陽の神殿』で撮った写真と、『古代言語』の辞書をラグの上に並べながら、レイは言った。
「その単語を起点に、1つひとつの文を読めるようになれば、たぶんカイトでも、魔法の言語が言えるようになるはず」
「おお〜、さっすがレイさん〜♪」テンが上機嫌に口笛を吹いた。「僕の自慢のか……いや、だ、大親友なだけはあるよ〜!」
「今、『彼女』って言おうとしたわね」
リアが、隣にいる俺にしか聞こえないほどの小声でそうつぶやいた。
「それで、えーっと……『石』の使い方は、普通の魔法とだいたい同じなのか?」
俺はテンに訊ねた。
「……そだねー。呪文要らないし、魔法の名前も言うかどうかは気分次第だし、ある意味普通の魔法より簡単かも……」
「……え?名前言う必要ないのか?」
「あれは、『指をさしながら確認する』みたいなやつだ。必須ではない」と、レイが付け加えた。
「実際、あのデュカさんは、たぶんレイさんの魔法の名前、全然知らないと思う」
――確かに、空賊の島の試合では「はああ!」とか「ほああ!」とかしか言ってなかった気がする。
「なのに、『石』が、私じゃなくてデュカの方へ飛んでいったなんて……不思議なこともあるもんだな」
――なぜかはよくわからないが、『アリエスの石』は、ネプトゥヌス島にいたデュカの頭の上に落ちてきたらしい。それで大きなたんこぶができたとか何とか……
「俺のそばに『リブラの石』が落ちてきたのも不思議だけど……」
「あれはたぶん……空にドゥファンがいたんだと思う」
レイの言葉に、俺は「は?」と首を傾げた。
「『石』が、軌道の途中で突然落下しただろ。たぶん頭の上にいたドゥファンが受け取り損ねたんだ」
「えっと……君はその時ドゥファンを見たの?」
テンの質問に、レイは「いや」と首を振った。
「取り戻すために、『石』を持った俺に襲いかかることもなかったよな」
「ああ。ただの推測だが、あの時は『皆既日食』で、暗い時間が数分間しかなかった。だから、暗いところに隠れ続けようと思ってたら、『石』を取り返している暇はなかったんだと思う」
俺とレイの言葉に、テンは「ふーん……」と不思議そうな顔をした。
「……ま、それはいいとして、」リアは、俺の背中をドンと叩いた。「まずは『瞑想』ね!全てはそこから始まるわ!」
「単語調べは、あたしとレイがやる……」
「……じゃ!僕も一緒に『瞑想』しよ!リアちゃんも一緒に〜!」
「……えー……」
こうして特訓をしているうちに、昼の12時になった。




