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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
ウェヌス編

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370話 6月24日#09~3人の恋バナ(?)~

 「あ〜、もうダメ。眠い……あ、そうよ!レオ、眠気覚ましに何か話をして!!」



 夜の見張りをしていると、リアが急にあたしに話しかけてきた。



 「……それなら、ダンベル持つ……?」


 「それは要らない」


 「あ、じゃあ恋バナしよぅ!」



 ――突然、ミィがそんなことを言い始めた。



 「いいわね、女子会!みんなでやりましょ♪」


 「……お前、男だろ……?」



 ミライからの視線が痛いけど、そんなの構わずに、リアとミィが話し始めた。



 「そういえば、気になるんだけどぉ、『サギタリウス』って、どっ……?」


 「あたしのことは『リア』って呼んで!」


 「……あんた、人のことは星霊名で呼ぶくせに」



 ――いきなり出鼻を挫かれている。



 「まあいいやぁ。リアって、男と女どっちが好きなのぉ?」


 「えーっと、やっぱり、『白馬の王子様』が来てくれることを~♪……って言いたいんだけど、どうも男には興味が持てないみたい」



 リアは首を傾げた。



 「あんまり女の子に興味を持つことはないんだけど、男にはもっと興味が持てないっていうか……」


 「……それじゃあ、恋バナ成立しないじゃん」


 「え、ええっとそうね。困っちゃうわね」リアは慌てている。「あのね。ほら、カイトもテンも結構かっこいいとは思うんだけど、別にだからって何か心が動くこともないし、たぶん女の子のほうが気になるんだけど……」



 リアが言い淀んだ。



 「雑誌の女の子見ても、『こんなかわいい女の子の格好したい!』って思うのが先で、あんまりその子自身のことが男として気になるってこともなくて……」



 その時、リアはふとあたしの方を振り向いた。



 「……そういえば、いたわね。ここに、かわいい『ダンベルマニア』ちゃんが♪」


 「……あ、そうだぁ!あたしにもダンベル貸してぇ!」


 「『ダンベルマニア』が増えた……」



 リアはため息をついた。



 「……あ、そうそう!カプリコルヌスは、レオとタウルス、どっちがタイプ?」


 「俺に話を振るな」ミライはムスッと言葉を返した。「あと、『カプリコルヌス』は長い。『ミライ』って呼べ」


 「……『カプリンちゃん』は、レオとタウルス、どっちがタイプ?」


 「……お前、殴られたいのか」


 「しょうがないわね」リアは、再びあたしたちに声をかけた。「2人はどう思う、『カプリンちゃん』のこと?特にタウルス♪」


 「……え?あたしぃ?」ミィは目を瞬いた。


 「いつも『カプリンちゃん』に絡んでるじゃん♪」


 「だってぇ、あの人ほっとくとぉ、すぐ『ウゼェ』、『知らねえ』、『俺はやらん』とか言うからぁ、誰かが思い知らせてやらないとぉ……」


 「……聞こえてるぞ?」


 「んんー。じゃ、じゃあレオはどう……?」


 「………………」


 「な、なぜこっちを見る」ミライが引いていた。



 あたしが黙っていると、なぜかみんながこっちを見てくる。


 仕方がないから、あたしはひとことだけつぶやいた。



 「…………オタク」


 「……トレーニング用品買い漁っているあんたが言うことじゃないでしょ!?」


 「やっぱりぃ、ミライは止めたほうがいいと思うよぉ」とミィは言った。「いつも不機嫌だしぃ、頑固だしぃ、自分のことしか考えてないもん」


 「確かに。もうちょっと愛想よくしないと、女の子は寄りつかなそうよね?」


 「……そうそう。テンとかぁ好きな子に愛嬌振りまいてぇ、猛烈アタックかけてるじゃん?だからたぶんアリエスも心が少しずつ動いてるんじゃないのぉ……って、カイトが言ってたけどぉ」


 「……あれは、相手が悪いわね」


 「……でも、最近はレイもテンを受け入れるようになった……?」


 「そうね。この前なんか、どう見てもいちゃいちゃしてたし……」



 リアはうーんと唸った。



 「ただ、アリエスはそこまで熱意を持ってテンに接しているようには見えないのよね。2人の間に温度差があるというか」


 「2人っきりのときはぁ、違うかもよぉ?」と、ミィは言った。


 「……じゃなかったら、テンがかわいそすぎる……」



 ――心底、そう思う。



 「とにかく!」リアはミライの方を向いた。「あんたも好きな人がいるなら、もっと愛想よく笑いなさいよ!」


 「……なぜ、『好きな人』がいる前提で話をしている?」


 「……ほらぁ、また仏頂面で話をしてるぅ」


 「俺のことはいいから、自分たちのことでも話してろよ!」


 「だって、あたしのことは話すことないし!」


 「あたしもぉ、特に好きな男の子はいないよぉ?」


 「あたし……考えたこともない……」


 「……だったら『女子会』なんかすんな!」



 ミライの背中には、『星霊使いが恋愛の話すること自体、無理があるだろ』と書いてあった。



 「……考えてみれば、まともに人間の男と接するようになったのって、ここ数年の話じゃない?」


 「なるほどぉ。それで話が成立しないんだぁ」


 「……これから、出会いがある……?」


 「とりあえず、テンとレイの話でもするぅ?」


 「あの2人、他の人がいないときに、マジで何の話してるのかしら……?」


 「……監視ロボット、つけとく……?」


 「「それ、いいね!!」」



 その時、あたしの後ろからミライの大きなため息が聞こえてきた。

思えば、旅の仲間たちの中で一番女の子らしいのって、リアですよね笑

彼はああいう人物なので、きっと女性の心理を誰よりも理解してくれる……はずです。

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