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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
セメレ−ネプトゥヌス編

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325/363

325話 6月23日#02

 先ほどまでモルガンがいた場所に、直線状に進む炎の魔法がいくつか集中した。


 そして、何もないように見える正面から、いきなりかなりの数のドラゴンが現れた。



 「あれが……空賊……?」



 確かにどのドラゴンも、人が騎乗している。


 やがて、ドラゴンと騎手たちは、俺たちの周りを取り囲んだ。



 「貴様ら、何者だ?」



 正面にいた男が、俺たちに向かって言った。



 「貴様らこそ、何者だ?」



 モルガンがそう言うと、男は俺とテンの顔を不思議そうに見つめた。



 「……早く答えよ」


 「誰がしゃべって……まさか!」



 ――どうやら彼は、ドラゴンは人語をしゃべらないと思っていたようだ。



 それか、人の言葉をしゃべったことで、モルガンが特別なドラゴンであることを理解したか。



 「……金の鱗と人の言葉を話せるほどの知性……これは、なかなか珍しいドラゴンかもしれねえ」



 ――後者のようだ。



 「随分いいドラゴンに乗ってるな」


 「『金色の鱗のドラゴン』なんて、初めて見た」


 「あたし、あのドラゴン欲しい」


 「いや。あれはキャプテンに譲るべきだろう」



 空賊たちが、お互いに何やらヒソヒソ話をしていた。


 リーダー格っぽい空賊は、咳払いをした。



 「とにかく、自分たちの名前と要件を言え!」


 「名前は教えねえ」と、俺は答えた。「ただ、要件だけは言う」


 「何だ?」


 「ネプトゥヌス島にある『月の神の石』を取りに来た」



 それを聞いて、竜騎手(ドラゴンライダー)たちは、ヒソヒソ話を再開した。



 「それ、キャプテンたちが大切にしている『石』のことでしょ?」男の隣にいた、見た目が俺くらいの年齢の女が言った。「そんなの、譲れるわけないじゃない!」


 「……やっぱり君たち、『ネレイデス空賊団(パイレーツ)でしょ!」と、テンは指を鳴らして言った。「ということは、この先に島が……?」


 「そんなものねえよ」と、最初の男が言った。「そう簡単に、島の場所がわかってたまるか」


 「それもそうだな」モルガンは周囲をじっくりと眺めた。「だが、何か重要なものがあるんだろうな。これだけの伏兵がいるということは」


 「……突破してみる?」



 テンの質問に、俺は頷いた。



 「ああ、行ってみよう。あの男が言ったことが正しいかどうか、見に行けばわかることだ」


 「……んなこと、許すはずがないだろう!」男は空賊らしく、とても短気なようだ。「てめえら、みんなでやっつけちまえ!」



 ――と、男が言っている間に、俺の後ろにいるテンが早口で呪文を唱えていた。



 そしてテンが指をパチンと鳴らすと、空賊とそのドラゴンの頭上から下へと、俺たちを取り囲むように、滝のような強い水流が幾筋も落ちてきた。



 「「「うぎゃあああ!!」」」半数以上の空賊が、ドラゴンとともに海に叩きつけられた。


 「…………え?」生き残った正面の男が、一瞬固まっていた。



 その瞬間、モルガンが口を開いた。



 「『ブレイジングショット』!」



 モルガンの吐いた光のブレスが男に当たり、男は海へ落下していった。

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