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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
セメレ−ネプトゥヌス編

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320/361

320話 6月22日#08

 「問題はもう1つあって」


 「……『石』だな」



 ――今から行くなら、既に盗まれた後ということになるだろう。



 「盗んだ人が『石』をどこかに隠すのですが……それがどこかは視えなくて……」


 「……ということは、盗むのは『うお座の星霊使い(ピスケス)』だな」



 ソフィアの言葉に、テンは苦笑いした。



 「やっぱりあれだけじゃ、懲りないか」


 「実は『石』が重要な理由は、月の神様に関すること以外にも……気絶している3人の星霊使いに石の力を与えると、意識を取り戻すようです」


 『……何と!』ピエールペンは白く光った。『それは朗報です!』


 「……でも、レイの『石』は、元々どこにあるかわかんねえし、リアとソラの『石』は、盗まれてどこ行くかわかんねえし……どうすんだ?」



 俺がそう訊ねると、カヤはしっかりとした目線を俺に向けた。



 「実は、『おひつじ座(アリエス)の石』と、『うお座(ピスケス)の石』の場所はわかりました」


 「……え!?どこ!?」



 テンが、突然立ち上がって、食い入るようにカヤの顔を見つめた。



 「……『ネプトゥヌス島』です」



 ――え?



 「……それ、どこだよ」ミライは呆れたように手を振った。「確か、地図には載ってないんだろ?」



 しかし、カヤはしっかりと答えた。



 「『トリトン』から北に『サラキア海』を進んだあたりにあります」


 「どうやって見つければいいの!?」


 「モルガンさんが行けば、勝手に出てきます」


 「……何が?」


 「空賊が」



 ――みんな、固まった。



 「『ネプトゥヌス島』には空賊団の根城があって、そこのキャプテンとその右腕の方が、それぞれ『ピスケスの石』と『アリエスの石』を持ってるみたいです」



 ――いやいや。それ……



 「……戦闘必須だよぉ?」


 「相手は『ネレイデス空賊団(パイレーツ)』です。サラキア海沿岸で最大の空賊団です」


 「そんなのと戦うのね……」



 テンは椅子に座って、はあとため息をついた。



 「しかし、なぜ我が出ていくと、その『空賊団』とやらが出てくるんだ?」モルガンは首を傾げた。


 「それは、私から説明しよう」と、ソフィアは言った。



 みんなが、今度はソフィアの方を向いた。



 「空賊団の主な戦力は、『飛空艇』に搭載された各種兵器と、『ドラゴン』なんだ」


 「『ドラゴン』!?」


 「空賊団の一部の団員は、『竜騎手(ドラゴンライダー)』の『資格証明(ライセンス)』を所持しているか、または以前に所持していた人だ」



 ――あ、話が見えてきた。



 「……その人たちは、できるだけ強いドラゴンを狙っていて……モルガンはその標的になるわけか」


 「……そのとおりです」



 カヤがそう言うと、モルガンが顔を真っ赤にして怒った。



 「我を馬みたいに扱うとは、何様のつもりだ!?」


 「空賊とは、そういう連中だ」ソフィアは少し考えた。「だが、裏返せば、モルガンは『強い空賊団でも喉から手が出るほど欲しいドラゴン』ってことになるな」


 「見た目も豪華だし、強いし、『レジェンダリ』として希少価値もある……」


 「それを逆手に取って島の位置を特定するのが、最良の手のようです」


 「……ねえ、モルガンさん」まだ怒って震えているモルガンに、テンが話しかけた。「それってつまり、モルガンさんは『すごいドラゴン』だって認められるってことじゃない?」


 「……ま、まあ、そういうことだろうな……」



 モルガンは、ようやく冷静さを取り戻した。



 「我は『すごいドラゴン』だ」


 「……あとはネプトゥヌス島へ侵入し、何とか『石』を入手するだけです」


 「ハードルは高いが……やれないことはないな」



 どこに隠されるかわからないリアとソラの『石』に比べると、場所がわかるだけやりやすいかもしれない。


 レイに関しては、光明が見えてきたかもしれない。

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