318話 6月22日#06
『えーっと、最初から説明しますと、』
ピエールペンはそう言いながら、リアと一緒にいた時の体験を話し始めた。
『西、南、東の城門に攻撃を仕掛けてきたのは、モンスターたちです。街を守るバリアが弱まっていたのか、打ち破られて全方位からモンスターが大量に押し寄せまして……』
「それで、星霊使いたちが最初に城門に配置されてたんだね」
――なるほど。
「……ちなみに、『ストラス』ってモンスターのこと、何か知ってるか?なぜか俺を『水の塔』まで運んでくれたんだが」
俺がそう言うと、みんな「え?」と、驚いた表情になった。
『『ストラス』は、『しゃべる大鴉』ですね。主に夜に行動します……一応、人を襲うことはめったになかったと思います』
そして、一瞬間があった。ピエールペンの飾りが緑色に光っている。
『……理由まではよくわかりませんが、何かがあって、人間を助けようと思ったのかもしれません』
――そしてその後、ピエールペンはバリアの張り直しの話をした。
「『ゼノフィルス』……?」ミィは、首を傾げた。「『心臓』のモンスターなんて、マジで見たくないよぅ」
「……つーか、アリエスってそんな強いのかよ」ミライは眉根を寄せた。「『奥義』とはいえ、1発でわけわかんねえ怪物をぶっ倒すなんて……」
『……そのレイさんが、ドゥファンには敵わなかったんです』
「……何が起こったんだ?」
『ドゥファンは、『てんびん座の星霊使いの魔法』だけでなく、『太陽の神の魔法』も使っていまして、』
「「「……え?」」」
『レイさんたちは最後、『アブソープション』という魔法で気絶しました』
――何だろう。『吸収』?
『この呪いにかかったら、死ぬまで延々と魔力を吸い取られ続けます』
「……あ」俺ははっと気づいた。「最初に月の神と会った時、『吸い取れ』とか『奪い返せ』とか言う声が聞こえる呪いがかかってたよな……?」
『あー、それです!』
ピエールペンの装飾が、白く光った。
『あれ、ワタクシがかかっても、気を失う程にはならないですが、星霊使いとはいえ人間が食らったら……』
「……それで、しんで……あ、違う。気絶させられたってことぉ?」
『そのとおりです』
――1つ、謎が解明された。
しかし、そうなると……
「もしかして、レイさんたち……魔力を吸い取られて、最後は……?」
――やっぱり、テンが落ち込んでいる。
『……あ!ご心配なさらず!』ピエールペンは黄色く光った。『ワタクシが御三方に、カウンターの呪いをかけました!』
「『カウンターの呪い』?」
『ワタクシ、呪いを弾き返せるんです!自分がかからない限り!』
「弾き……え?」俺は目を瞬いた。「それって……?」
『つまり、今はドゥファン自身が呪いにかかって、御三方は無事ということです!』
――もしかして、ドゥファンがあっという間に退散したのは、それが原因……?
「……ちなみに、なぜ自分がかかったときは使えないんだ?」
『使う前に、だいたい正気を失います』
「「「………………」」」
――使えるような、使えないような。




