316話 6月22日#04
その日の午後。
俺たちに朗報が入った。
『どーも、みなさん!お待たせしましたー!!』
――月の神が、復活した。
俺とテンとミライ|(たまたま近くにいた)の男3人に囲まれた、ベンチに座っているカヤの膝に、月の神|(幼虫)がちょこんと乗っていた。
『ただ、ちょっと待っててくださいね』月の神の体は、緑色に点滅している。『いま『記憶』が混乱してるので、整理して今夜くらいに詳しくお話しますね』
「おう、そうか」とりあえず、話せるまで回復してよかった。
「……あ、1つ訊きたいんだけど、」と、テンは言った。「あの……体とか大丈夫?神様の体のことなんかよくわからないけど……」
『ご心配なく!』月の神はピコンとピンク色に光った。『ワタクシ、深海に1週間くらい閉じ込められたことがあるくらいなので、全然平気ですっ!』
「……なら、いいんだけど」
「………………」
『あ、あの、ミライさん……そんな怖い顔で、ワタクシを見つめないでください……』
「…………どうやって光ってるんだ?」
――え?
『……あー……こ、細かいことは、気にしないでください!!』
――意外と、ミライは好奇心旺盛なのかもしれない。
「とりあえず、ソフィアさんに報告しましょう」と、カヤは言った。「わたくしが電話をかけますので、それまで月の神様をよろしくお願いします」
――というわけで、布に包まれた月の神は、今度はベンチに座ったテンとミライの間に置かれた。
テンは、少し苦手意識が薄らいできたのか、人間の赤ん坊くらいの大きさまで肥大した月の神を、ちょんちょんつついていた。
「……ところで、これからどうする?」月の神の前で立っている俺は、月の神に声をかけた。「おそらく、俺たちについてきている『ドローン』が『月の神』だってことは、既に敵にバレてる」
『どーしましょーねー』月の神は、また緑色に点滅した。『別のロボットに変身してもすぐバレますし……『ピエールヘアピン』として、カイトさんの額の上に……』
「……断固として、反対する」
「……あ、僕でよければつけてもいいよ!」と、テンは言った。「ほら、僕、カイト君なんかよりずっとオシャレだし」
「……思えばお前、髪が結構長いよな」俺はテンの前髪を見つめた。「邪魔じゃないのか?」
「ん?邪魔だよ?」テンはにこにこ笑った。「だから、オシャレなんじゃない!」
「……よくわからん」ミライはぷいとそっぽを向いた。
「でもなあ。今の状況で、レイ、リア、ソラの3人がいないとなると、やっぱりテンのアクセサリーか何かになってもらうしかねえよな」
俺はぼそっと言った。
「やっぱり高いところがいいのかな?」と、テンは言った。「別にブレスレットやタイピンとかでもいいんだけど」
『そうですねー。せっかく背の高いテンさんのアクセサリーになるなら、やっぱりテンさんの顔に付けていただけると、眺めがよくていいなー、と』
「……なら、イヤーカフとかは?」
『眺めはよさそうですが、テンさんの顔の反対側が見えないというか……』
「……コイツ、わがままだな」
ミライは、またぷいとそっぽを向いた。




