↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
セメレ−ネプトゥヌス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

315/360

315話 6月22日#03〜テンの夢〜

 「テンは、小さい頃の夢とかなかったのか?」



 俺がそう訊ねると、テンはうーんと考え込んだ。



 「……正直、義理の母親が課す毎日の『課題』が厳しすぎて、そんなこと考える余裕が……」



 ――小さい頃に『課題が厳しい』と悩んでいたって、どんな家庭で育ったんだ?



 「あ。でも、小さい頃はずっと都会に住んでたからわからなかったんだけど、12歳くらいに、田舎に住んでいる別の人に連れさら……あ、いや『引き取られた』時に、田舎で暮らすのもいいなと思ったことはあるな……真っ当な仕事なら」



 ――やっぱり何か隠してる。



 「空気も美味しいし、地元の食材で作ったごはんも美味しいし……都会は、何かとうるさいから。人とか車とか多いし、裏社会があって人がころ……えへん、えへん!」



 ――何か今、物騒なことを言おうとしてたな。



 「もし、レイさんが僕のところに生きて帰ってきてくれたら、一緒に田舎で暮らしてほしいなあ……」


 「……そ、そうか……」



 ――何か最近テンと話すと、どこかでレイのことを話し出すんだけど。



 「そういう意味なら、今の方が夢はいっぱいあるかな」テンは、指折り数え始めた。「レイさんともっと仲良くなって同じ屋根の下で暮らすようになって……毎日たくさん抱きしめて撫でてキスして、いっぱい愛(め)でてあげて……毎日一緒に散歩して、一緒にご飯も食べて、一緒に寝て……たまに遊園地や動物園で遊んで、本屋や図書館へデートして、あと……」


 「……おい」



 ――この人、好きな人を結構束縛するタイプかもしれない。



 「たまには、レイに1人でいる時間を作ってやりなよ?」


 「そ、それはそうだね……」



 ――ま、レイなら、気ままにテンを無視して、自分の好きなことをしてそうだけど。



 「……あ、でも最近、今みたいにずっと旅をするのもいいなって思ってる」


 「……ほお」


 「その時は、君たちみんなをメンバーに入れたいな。さすがにレイさんとだけだと、どこかで道に迷っちゃいそうだし」



 ――まあ、テンはともかく、レイが『ずっとテンと一緒にいるか』と『迷子になるか』の2択でいるのは、ちょっとかわいそうだしな。



 「……それにやっぱり旅の醍醐味は、みんなでわいわいやることじゃないかな!」


 「……あー。そうだな」



 ――確かに、こうやってみんなで旅するのは、なかなか楽しい。



 『ありさん』とかで、金を稼ぎながら移動することで意外とやっていけるとわかったし、何も目標を設定せずにブラブラするのもあり……あ、でも、



 「俺もそれに参加してたら、グラディアトルの仕事辞めないといけなくなるかもな」


 「……あー。そうだね」テンはため息をついた。「僕もいろいろやらなきゃいけないことあるし、やっぱりその夢はしばらくお預けかな……」



 それからテンは、るんるんと歩き始めた。



 「やー。レイさんと田舎で暮らすの、楽しみだなー!大きな家で、誰にも邪魔されずに2人で暮らして……庭には野菜畑があって、収穫して美味しく食べたり、収穫前のお花に集まったチョウチョやミツバチを眺めたり……あ、」



 ――テンは、目に見えて落ち込んだ。



 「僕、虫が苦手だった……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。