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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
セメレ−ネプトゥヌス編

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313/365

313話 6月22日#01

 次の日。


 俺たちは全員揃って、大衆食堂で朝食をとっていた。


 俺は、昨日の対ミィ戦を思い出していた。



 「……あんな武器、ありかよ?」






 ミィの1トンのハンマーの破壊力は、レイの大剣の比ではなかった。1発でも当たったら、即死。



 「いや、待て!そんな武器持ってる闘技士(グラディアトル)なんていねえから!」



 ――というわけで、100キロのハンマーに持ち替えてもらった。



 100キロだって十分重いのだが、ミィは紙でできた槌のように楽々振り回して攻撃してきた。


 ハンマーの最大の特徴は、『上から振り下ろすと、破壊力抜群』なところ。


 つまり、相手に上を取られたら、負けになる。


 水平方向の振り回しも、相手に近づけないので厄介だが、やはり100キロを脳天にぶち当てられるわけにはいかない。


 俺は攻撃を左右に避けながら、主に相手の後方を狙って立ち回った。


 俺が戦っている間に、ソフィアがこんなことを言ったらしい。



 「……なるほど、戦術を変えられるのか……これで闘技士(グラディアトル)として名を挙げられぬとは、なかなか厳しい世界なのだな……」



 結局この試合は、ミィの真後ろを取った俺が剣でミィの頭を叩いて、俺の勝ちとなった。



 ――で、その後。



 「悔しいから、もう1回戦わせて!!」



 なぜか、ミィとの2回戦目が始まった。


 今度は、ミィが軽めの魔法を使っていいことになった。



 「……いや。これのどこが『軽め』なんだ……」



 ミィがハンマーで地面を叩くと、地割れが発生した。


 ミィがハンマーを宙で振ると、砂嵐が発生した。


 そしてミィがハンマーを地面に突き立てると、



 「うぐぐぐ……!」



 ――俺は、泥沼の中で動けなくなっていた。



 この後はもちろん、簡単に脳天に1発喰らい、試合終了となった。


 そしてこの時は、ソフィアはこんなことをつぶやいていたそうだ。



 「……魔法を喰らうと、めっちゃ弱いんだな」



 ――ハイ、そうです……






 「……何か昨日の様子見てたけど、ミィちゃんの攻撃って『地面』と関係のあるやつが多いみたいだね」


 「そうよぅ」ミィは不機嫌そうに頬を膨らませた。「あと、『ちゃん』付けは止めて」


 「……ごめんなさい、ミィさん」テンはそう言って、下を向いた。


 「『地面』ってことは、空へ逃げれば避けられるんだが……」俺は、テーブルに片肘をついた。「レイみたいに飛べるわけでもないし……」


 「……確かに、人間には攻略が難しいかもしれんな」



 ――昨日気づいたが、モルガンは卵が好きらしい。今朝も、スクランブルエッグを上機嫌に食べていた。



 「……思えば、ハンマーとの相性もかなりよさそうだな」と、ソフィアは上品に紅茶を飲んでいた。「容易には近づけぬ武器と、遠距離にいると避けにくい魔法を使う……」


 「ただ、ハンマーはどうしても大振りになる」と、俺は今までの記憶をたどって言った。「だから、魔法さえどうにかすれば、小回りの利く俺の方に分があると思うんだが」



 俺の剣の刃渡りは50センチ強。斬るのも刺すのも楽にできるし、持ち運びもしやすい。


 一応もっと長い剣も扱えはするが、あんまり俺向きじゃないなあ、という感想を持っている。重いくせに柄が短いので、想像以上に扱いにくい――てか、馬に乗らず、レイみたいに魔法で剣を振り回す戦い方をしないなら、そんな武器使わない方がいいと思っている。



 「うーん、そうだねー」テンは、いつものように甘いコーヒーを飲んでいた。「普通に魔法陣使う魔法でも、地面系は足元にいきなり魔法陣が現れるような感じだからねー」


 「ちなみにテンは、地面の魔法って何使える?」


 「……『落とし穴』くらい?」


 「この前使ったあれか」


 「一応、走り回ったら避けられるって話はあるんだけどぉ……ずっと走るわけにもいかないわよねぇ?」



 ミィはそう言って、首を傾げた。



 「走り回っても、当たるときは当たるし……難しいね」


 「……なるほど、こうやってみんなで考えていくんですね」



 カヤは興味深そうに頷いた。



 「そうそう!試合をするって考えたのは、僕ですー!」



 テンは元気よく手を挙げた。



 「……機嫌、治ったんだな」



 ミライがぼそっと言うと、



 「うん、そうだよー!……あ、でも昨日言ったことは本気だからねー!」



 ……と、テンは言った。



 「笑顔で言われると、それはそれで怖いんだけど……」



 ミィの言葉に、俺は思わず頷いた。

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