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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
セメレ−ネプトゥヌス編

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311/362

311話 6月21日#08

 その後、俺たちがそれぞれ適当に席に着くと、ソフィアがお茶を配り始めた。



 「まあ、『会議』みたいに見えるが、簡単に状況を報告しあうだけだ、気軽にしてくれ」


 「……じゃあ、俺から話す」



 俺は手を挙げた。



 「どこから話したらいいのか、よくわかんねえけど……」



 俺は、ディアナで起こった出来事を、できるだけ順番に説明した。


 思えば、3人の仲間たちを救えなかったことにばかり注目していたが、他にもいろいろ気になる点が見つかった。



 「そういえば、あの後うお座の星霊使い(ピスケス)はどうしたんだ?」


 「僕が黙らせた」と、テンは言った。「1時間くらい氷漬けにしてやった」


 「あの『霧女』を、どうやって……?」


 「秘密」


 「……星霊使いと渡り合うなんてぇ、あんた何者なのぉ?」



 ミィは、テンをじっと見つめた。



 「しがない普通の魔術師です」


 「どこが」



 相変わらずの秘密主義に、俺は思わず苦笑いをした。



 「あと、そのピスケスが最初に乗ってたデカい飛空艇も、何だか気になる。ロボットだらけだったし、エステルも乗ってたし」


 「それはたぶん、『ピース教団』の連中が移動に使っていた船だ」と、ソフィアは答えた。「ロボットも、おそらく『教団』の置き土産だろう。あちこちの支部に警備ロボットを配置していたという話もあるし」


 「エステルさんは、おそらく月の神様の存在を敵に教えたと思います」



 と、カヤが付け加えた。



 「これからは、月の神様も敵に狙われます。慎重に行動していかないといけませんね」


 「ところで、これが『月の神様』なのぉ?」



 テーブルの上のクッションの上に置かれた月の神を見て、ミィが怪訝そうな顔をしている。



 「なんか、『神様』っぽくないというか……」


 「確かに俺もずっとそう思っているが……でも、俺ちらっと見たけど、最後にレイたちやカヤに何か魔法をかけてたな」



 俺がそう言うと、テンは納得したように言った。



 「それで、力尽きちゃったんだ」


 「でも、何の魔法だったのぉ?」


 「それは……わたくしもわかりません」カヤは首を振った。



 ――これは、月の神(ほんにん)に訊かないとわからないな。



 「街のバリアとモンスターの集団攻撃は、たぶんレイさん、リアちゃん、ソラちゃんの3人が解決したんだろうね」と、テンは言った。「あとは……」


 「『ドゥファンが今どうしているか』だな」



 俺は頭の後ろで手を組んだ。



 「俺もはっきりと理解していたわけじゃねえんだけど、ドゥファンはカヤを連れ去ろうとしていたみたいなんだ」


 「え?」カヤはこちらを振り返った。


 「初めてカヤを見たとき、体が宙に浮かんでたんだ」俺はカヤに向かって言った。「俺は夢中でカヤを引っ張って床に下ろして、それからすぐ弓で矢を撃ったら、それがドゥファンの肩に当たって……で、どこかへ逃げた」


 「『肩』とは、具体的にどのあたりだ?」


 「左の鎖骨の下あたり、だと思う」


 「ふうむ……」ソフィアは、何やら考え込んだ。


 「……意外と、魔法じゃない攻撃には弱いのか?」



 突然、ミライが話に参加してきた。



 「『左』なら、少しずれていたら心臓に当たったかもしれないが、」と、ソフィアは言った。「それだけで、退散するような奴なのだろうか……?」


 「「一歩遅かったな」って言ってたから、主な目的は星霊使いたち(レイたち)を無力化することだったのかも……」



 ――わかんないけど。



 「とにかく、もし矢や銃が苦手なら、俺が倒すこともできるな」


 「ミライって単純ね」


 「……何か言ったか?」



 ――意外と、ミィとミライは仲がいいのかもしれない。



 「……ところで、」モルガンは、お茶のカップを眺めながら言った。「飯はまだなのか?」

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