↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
ディアナ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

294/380

294話 6月20日#27〜地から天へ②〜

 ――さて。


 ワタクシたちは『心臓』を、小屋の外まで運び出しました。



 「……で、どうする?」


 「ピエール33世は、このモンスターは何か、知ってる……?」


 『えっと、ちょっとお待ち下さい。『心臓のモンスター』、『心臓のモンスター』、『心臓のモンスター』…………』



 ――何となく、思い出しそうです。



 『えっと……『ざ』、いや『ぜ』、『ぜな』、えー、『ぜの』、『ぜのふ』……あ!思い出しました!『ゼノフィルス』です!』


 「ぜの……ふぃるす?」


 『気をつけてください!このモンスター、敵が一番苦手な姿と戦法をとって、戦い方を変えてきます!』



 ――ドクン!



 『心臓』が、何かに反応したかのように、大きく脈打ちました。



 『これは……来ますね!準備をしてください!』



 その直後。


 心臓から出ている血管が、驚くほどの早さで伸び始めました。ところどころ分岐して、少しずつ丸みを帯びた『何か』の形ができあがってきます。


 レイさんたちは後ろへ下がりますが、血管は変わらず伸び続けます――これは、さすがのレイさんやワタクシでも、どうしたらいいか、わかりませんでした。


 やがて心臓は、体の高い場所へと上っていきました。そして心臓と血管が、何度か大きく脈打ちました。



 ――ドクン!ドクン!!ドクン!!!



 心臓と血管を、骨や神経や筋肉や皮膚のような他の器官が覆い始めました。頭には目や耳が生え、口が開き、歯も生えてきます。腕の先に手が生え、脚もすらりと伸びています。背にはたてがみ、そして尾も伸びてきました。



 ――こうして、現れたのは……



 「ケン……タ……ウルス?」



 馬の体と人間の上半身が合体したかのような怪物、『ケンタウルス』です。


 しかも、リアさんは愕然として、体をカタカタ震わせました。



 「け、ケイロン……あたしの、師匠……?」


 「……どういうこと……?」



 でも次の瞬間、『ケイロンさん|(?)』は後ろへ飛び退き、どこから出したか知りませんが、弓と矢を取り出し、弓に矢をつがえて引き絞りました。



 「……この角度……!」ソラさんは、何かに気づいたようです。「きっと……『パワー……』!!」



 ソラさんははっとしました。ぼんやりと頭の上を眺めます。


 高めの角度から落ちてきた矢はたくさんに分裂し、ソラさんレイさんリアさんに大雨のように降り注ぎました。



 「……きゃああああ!!」



 ――とりあえずワタクシは、自分の体を張ってリアさんをガードしました。



 矢が落ちてこなくなったので、ワタクシはソラさんとレイさんの姿を探しました。



 ――あ、いました。全身傷だらけですが、レイさんの大剣でやり過ごしたようです。



 「……ちょっと、レオ!」リアさんが文句を言いました。「ちゃんと魔法盾(シールド)張ってよ!」


 「……あたしは……シールドが、使えない……」



 ――そういえばソラさんは、カヤさんから『シールドを絶対使うな』と言われていました。



 ふと見ると、『ケイロンさん|(?)』が再び矢を放とうとしています。



 「む、無理よ!あたしの師匠に『ガードなし』って、勝ち目はほとんどないわよ!!」



 その瞬間、矢は放たれました。今度は雷を帯びて、こちらに向かって飛んできます。



 『リアさん、危ない!』



 ワタクシは、慌てて逃げようとしました。


 リアさんが、こうつぶやく声が聞こえてきました。



 「あたしの師匠に勝てる人なんか……この世界にいるわけがない……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。