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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
オリオン編

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258/381

258話 6月18日#05

 レイの魔法を使って崖の上まで登り、岩陰に隠れながら様子を窺った。


 村には、岩場の上に石や土を使って造られた建物が点在していた。建物の間を、人が行き交っている。何人か子どもたちもいて、一緒に走り回って遊んでいる。



 ――のだが、みんななぜか同じ格好をしていた。老若男女、みんな同じ黒い頭巾と黒い服を着て、足にはわら草履を履いている。



 「何だこれ……?」俺はつぶやいた。「みんな同じ格好……というか……」


 「……みんな、同じ人……?」ソラも戸惑っていた。


 「体が小さかったり、化粧したりしている人もいるけど……」テンは苦笑いした。「全員、同じ顔だね……」


 「……とりあえず、話訊いてみるか?」さすがのレイは、こんなことにも動じない。


 「絶対メンドーなことになるわよ……」リアがそう言って尻込みしている。



 そんなことを話していると、村人のうちの1人が、俺たちのわりと近くへやって来た。


 俺は岩陰から出て、努めて丁寧に話しかけた。



 「あの、すみません。ちょっとお伺いしたいことが……」



 その男性は一瞬固まり、それからくるりと踵を返して、村の方へ駆け出した。



 「て、敵襲ーーー!」男性は大声を上げた。「今すぐ隠れろーーー!!!」



 次の瞬間、村人全員がビクッと反応し、押し合いながら家の中へ逃げ込んだ。


 そしてあっという間に、村の中は静かになった。



 『「「「「「………………」」」」」』


 「……なんすか、これ?」


 「てか、僕たちまだ何もしてないよね?」


 「意味不明だけど、とりあえずオリオンの『忍者』と関係ありそうよね。格好的に」


 「……じゃあ、炙り出そうか」レイはそう言って、1歩前に出た。


 「……レイ……?」


 『レイさん、一体何を……?』


 「『インフェルノ』」



 突然、黒い炎が村全体に広がった。土でできた家屋だったが、乾燥させた植物の茎を塗り込むことで補強してたため、高温の炎が家に燃え移り、どんどん広がっていった。



 そして村人たちが、全身火だるまになりながら再び姿を現した。みんなパニック状態になっていて、いろんなことを叫んでいる。



 「敵が攻撃を開始したぞー!!」


 「『火攻め』だー!!」


 「敵はどこじゃ!?数はいくつだ!?」


 「アッチッチッチッチ!!」


 「わーん!!おかーさーーん!!」



 5人と1体で呆然と立ち尽くしていると、先ほど俺が話しかけた男性(たぶん)が、俺たちの方を指さした。



 「敵はあそこだーー!!皆の衆、全員かかれーーー!!!」



 そして老若男女全員が、今度は俺たちに向かって走り出した。みんな手裏剣とかクナイとか石とか皿とか桶とかわら草履とかを手にしている。



 「『パワーガード』!!」



 ソラの魔法盾(シールド)が展開され、投げつけられたいろいろなものを弾き返した。


 そして、近くまでやって来ていた村人に、弾き返したものが次々と当たった。



 「「「ぎゃあああああ!!!」」」



 そして全員が、炎と『パワーガード』に挟まれ、ひとところに寄り集まってヒソヒソ話を始めた。



 「ど、どうしよう……?」


 「相手は手練れ……わしらにはどうしようもない……」


 「こんなところで死にたくない……!」


 「おかーさーん……怖いよー……」


 「……ああ!早く『烈風忍者:ファール様』が現れないかしら?」



 ――俺たちに聞こえている時点で、これは『ヒソヒソ話』じゃねえな。

意味不明ですが、ここはノーコメントで。

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