247話 6月16日#02
そんな感じで、2、3時間に1回くらい、休憩を挟んだ。
1日の中で最も暑い時間帯を乗り越え、だんだんと日が陰ってきた。
最後の休憩の時、
「さすがに、ずっと同じ姿勢なのはキツいわね」と、リアは言った。
「……俺たちより楽してるのに」俺はそう言って、リアを指で小突いた。
「痛っ!」
「うーん。このあと2時間くらいまた飛んで……今日はそこまでかな」
テンはそう言いながら、背中を思いっきり伸ばした。
「今の時期が一番日が長い……でも、無理はダメ……」
ソラは、テンの持ち物である『移動距離測定器』を確認しながら言った。
「言われてみると、もうすぐ夏至なんだね」
「そうだな」レイは、地面に敷いたシートの上でゴロゴロしていた。「おかげで、本が読める時間が増えた」
「お前、暗くなってもピアスの明かりで読んでるじゃん」
俺が呆れていると、急にテンがこちらに近づいて、座っている俺に合わせてしゃがんできた。
「ねえねえ、1つ提案があるんだけど」
「……何?」
「今夜、また僕と勝負しない?」
「い、いいけど……」俺はため息をついた。「たぶん、また俺が負けるよ」
「うん。だから……」テンは俺に向かってウィンクした。「その様子を見て、みんなでどうしたらいいか、考えてもらうの」
「……いちおう訊いておくけど、テンは俺と戦って、どう思うんだ?」
「……素直で、翻弄させるの楽だな、と」
「うーん……」俺は考えた。「なら、テンが他の人と戦って負けるところを見たほうが、勉強になるかもな」
「……え?」
「レイと戦ってもらうのが一番分かりやすいと思うんだが……」
「な、何言ってんの、君?」テンは動揺していた――この人、レイのことになると、すぐ顔に表れるな。
「……やっぱ無理だよな」2択か。「なら、ソラが一番いいか」
「え?で、でも……僕が負けるとは限らないと……?」
「……いや。ソラならきっとテンに勝てる」俺は腰を上げた。「戦った後で、ソラにどうしたらいいか、考えるのを手伝ってもらおう」
俺はそう言ってソラに近づき、協力してもらえるか訊ねた。ソラが「いいよ、やっても……」と答えたので、テンにそのことを伝えに戻った。
「ま、まあソラちゃんが相手なら、全力出し切れるかも……」テンは首を傾げた。「でも、一体どういう戦いになるのか、想像もつかないよ」
「それは、俺もだ」俺は頷いた。「試合、楽しみにしてるぞ」




