245話 6月15日#06
夕飯を食べ終えると、俺は街の外れでリアと模擬戦をした。
リアの矢の謎の軌道には惑わされたが、リアは基本的に魔法も弓矢を使って発動させるので、しばらくすると相手の行動を読むことができるようになり、最終的に俺は勝利を手にした。
「くっ、くやしい〜〜〜!!」頭上を剣で刺されたリアが、俺の靴をぽかぽか殴ってきた。「何で負けてくれないの〜〜!!」
「……模擬とは言え、戦いは戦いだからな」
「もうっ!!カイトのバカーーー!!」
現在の俺の戦績は、リアとソラには勝つことができ、レイには1回、テンには2回負けている――この2人は、攻略難易度が段違いに高い。
まず、レイの大剣は、後で考えれば考えるほど、互角に戦うことが難しいとわかってきた。
向こうは、大剣を振り回して俺に当てれば、それが大剣のどの部分であっても、俺を殴るなり叩き斬るなりできる。
対して俺は、どうあがいても剣の長さが短いので、相手の攻撃範囲内まで近づかないと攻撃ができない。しかも、こちらが攻撃しようとすると大剣を盾として使われてしまい、俺には対処のしようがなくなってしまう。
レイの魔法の特性と、レイ自身の直感力を考慮に入れても、かなりの強敵であることは間違いない。
――一方テンの、癖の強い『銃撃』と『魔法』の攻撃の組み合わせも厄介だ。
思い出してみると、テンは銃の命中率の高さを利用して、自分の好きな場所へ俺を誘導し、そこへ強力な魔法を叩きつける、という戦い方をしていた。
自分は動かず、相手を動かす――そういう戦法には、闘技大会で何度も痛い目に遭ってきた。
他にもテンにはいろんな戦法で攻められ、さらにこちらの動きには柔軟に対応されて、俺は手も足も出ない。
はっきり言って、俺の一番苦手なタイプだった。
――ちなみに、俺がそうやって悩んでいると、戦いたかったのか、突然レイはテンに模擬戦を申し込んだ。テンは「れれれ……レイさんと模擬戦なんて、むむむむ……無理っ!!!」と、真っ赤な顔をして全力で断っていて、それがちょっと面白かった。
さて、宿を決めて部屋へ入った俺たちは、もう1つの難題について話し合った。
「ここ、ウルカヌスとディアナの間に『オリオン』って街がある……でも、どう考えても、そのオリオンまでの間のどこかで1泊しないといけない……」と、ソラは地図を指さしながら言った。
「砂漠は危険なモンスターも多いし、見張りで気を抜くこともできないね」と、テンは付け加えた。
「どうしようか」と、俺はみんなの顔を見た。「前の『蜘蛛母子』の時みたいに、誰か1人に負担をかけさせると、対応が遅れる可能性がある」
「2つのチームに分けましょ♪」と、リアは言った。「あと、遅い方のチームの人は、見張りが終わった後に仮眠させないと」
『バグボート』は乗り物だ。搭乗している間に眠気がくるようなことは、あってはならない。
「じゃあ、すぐ寝るレイは早番な」俺はテンをちらっと見た。「レイと一緒がいいか?」
「やー!君、わかってきたねー!」
「うーん……」レイは首を傾げた。「何かいつもテンと一緒のような……?」
「だって、僕たち気が合うじゃん!」
「……そなの?」
「……そだよ!」
「……そだっけ?」
「……そだよ!」
「うーん…………まいっか」
レイは、あまり理解していないようだが、そんなに気にしているわけでもなさそうだった。
「じゃあ、残りのあたしたち|(リア、カイト、レオ)で、遅番やりましょ♪」
「……そうだな」
「……了解……」




