243話 6月15日#04
「はーい。私やりまーす」
珍しく、レイが率先して行動している。
「オーケー!じゃあ、ここに腹ばいになって……」
数分後、レイの乗った『バグボート』は、空を自由自在に飛び回っていた。無限の魔力を持っているせいか、アクロバティックな動きも楽々こなしていた。
「やー!君、めっちゃ優秀だね!」ルーさんは、地上に降りてきたレイを褒めた。「たった数分で、もうコツを掴んでる」
「えっへん!」
ゴーグルを外すと、レイはドヤ顔で胸を張った。
「……あ、じゃあ、次はあたしがやる……」
こうして、ソラとテンが順番に『バグボート』に乗った後、最後に俺とリアの番になった。
「わあ、すごい!」窓の縁に座りながら、リアは楽しそうに笑った。「なかなかいい眺めね!!」
「……はい。これ持って」
俺がコードの端を渡すと、リアは意地悪そうな顔をして俺に言った。
「墜落しないといいわね♪」
「それ、お前も道連れだぞ」
俺が乗ると、屋根が「ガチャン」と音を立てて下りてきた。
「よーし!それじゃあ、行くわよ♪」
突然、機体が前に進みだした。そして俺の乗った『バグボート』は、すごいスピードで大空へ舞い上がった。
――その直後舳先が下へ向き、危うく墜落しそうになった。
「ちょ、リア!」
「うふふ♡楽しいわね♡」
――そんなことがあったが、俺もすぐに操縦に慣れて、地面に降りるときも安定した姿勢を保つことができた。
「おお!みんな上手〜!」ルーさんが、拍手をした。「まあ、慣れるまでは、高く飛ぶのはおすすめしないな。どうせウルカヌスまでは高低差少ないし、地面から数メートルくらいの高さを維持することを心がけて」
「……だってさ、リア」
「えへへ〜♪」
「あとは、必ず適度に休憩することと……何か機体にトラブルがあったら、前方にあるそのレバーを自分の方に引っ張って。周りのクッションごと機体から外れて、脱出できるから」
「「「「了解です!」」」」
「このまま、すぐに出発するかい?」
「はい。そのつもりです」
俺がそう答えると、ルーさんは「じゃあ、レンタル用のやつを人数分出してくるから」と言って、練習用の機体を小屋の中へ仕舞いに行った。
「みんな、大丈夫か?乗れそうか?……特に、テン」
「うん。まあ、少し慣れてきたから」テンは曖昧に笑った。「この『ムシ』は、触覚がないし、僕の方にも飛んでこないから」
それを聞いた俺は、こらえきれずにクスクス笑った。
「じゃあ、用意ができ次第、『ウルカヌス』へ出発しよう!」
『「「「「おーーー!!!」」」」』




