239話 6月14日#07
――驚いた。このユスティティアでは、住人全員が同じ場所で食べるらしい。
もちろん、全員同じタイミングというわけにはいかないが、ユスティティアの人口数百人が、大きな食事場所で一緒に食べているそうで――そんな話、初めて聞いた。
「……そこで食べるのは特に問題ないですけど、誰がみんなの食事を作っているんですか?」
テンはノラさんに質問した。
「持ち回りで数人と……あと、ロボットです」
「……え?」
「最新式の料理ロボットが、作っています」
『「「「えーーー!?」」」』
古式ゆかしい集落だと思っていたら、まさかの最新式ロボットが導入されていた。
食堂に連れて行ってもらうと、そこには既に100人程度いて、各々が好きな料理を注文し、会話しながら食べていた。
料理を出すカウンターの向こうを見ると、確かにロボットが働いている。人型が6体。ドローン型が8体ほど。
最後に料理を受け渡すところだけは人がやっているようだったが、調理に関するほとんどの工程を、ロボットが担っているようだ。
入り口のところにメニュー表があった。メニューは、全部で4つしかない。
「……全員で、違うのを1つずつ頼むか」
ちょうど4人|(リアとピエール33世除く)いる俺たちはそう決めて、カウンターの向こうの人に、それぞれが注文の内容を伝えた。
その後、料理を受け取った俺たちは、雑多に置かれたテーブルと椅子を並べ、テーブルを囲んで食べ始めた。
「さすがに飲食店ほど凝った料理じゃないけど、素朴な味で美味しいね」
テンがそう言うと、テーブルの上に行儀よく正座しているリアも同意した。
「そうね♪さすが最新式ロボット。仕事ができるわね~♪」
少しして、ノラさんの一家が俺たちの近くの席に座った。
「いかがですか?お口に合うといいのですが」
ノラさんが話しかけてきたので、俺は「美味しいですよ」と答えた。
『そういえば、ここのロボットの動力って、どうしているんですか?』
ピエール33世が訊ねると、突然ノラさんは「ふふふ」と笑った。
「気になりますよね?」
『はい』
「そのあたりは……たぶん見たほうが早いと思いますので、もしよかったら明日、この村を歩き回ってみませんか?」
「ちょうどさっき話し合って、明日の午前中はここで過ごそうって決めました」
「よかった!では明日、宿に観光ガイドの方をお呼びしますね!」
――その後、まさかの『ガイドのうち、誰に頼むか』をタロットで占うことになった。
「……本当に、不思議なところ……」
ソラの意見に、全員が同意した。




