224話 6月12日#01
翌日のこと。
みんなで、以前行ったカフェで朝食をとろうと、街の中を散策していた。
結局朝になっても、『石』をどう探すか、いい方法は見つかっていなかった。
「ねえ、ピエール33世、」リアは、自分が乗っているロボットに訊ねた。「あんた、神様でしょ?何かいい案ないの?」
『……と、言われましても、』ピエール33世は、緑色の光を点滅させた。『ワタクシ、どちらかというと『ぱっと閃く』より『論理的に考える』方が得意でして……』
――『論理的』……
『なので!みなさんはワタクシのことを本物の機械だと思って!みなさんで方法を考えてみてくださいっ!』
――単に、人間に棚上げしているだけのような気もするが。
そんな話をしているうちに、カフェに着いた。店の中に入ると、「いらっしゃいませ!」と女性の店員が声をかけてきた。
「テラス席と室内席、どちらになさ……」
店員が、テンを見て固まっていた。テンは、目を瞬いている。
――しばし、全員が沈黙した。
しかしやがて、店員が復活した。
「……テラス席と室内席、どちらになさいますか?」
「室内席で」
席に着席すると、早速リアが質問した。
「あの店員と知り合い?もしかして道端で口説いてたとか……♡」
「そんなことするわけないじゃん!」テンは、どちらかというと怒った。「君、僕をどれだけ悪者にしようとしているの!?」
――たぶん、テンは向かいのレイの反応を気にしている。レイはといえば、完全にメニューしか見てないが。
謎ではあったが、とりあえず注文を済ませて、みんなで『石』の話をしていた。
その後、店員たちが次々と料理を運んできた。
「わーい」レイが、いつもの気の抜けた声を出した。「いただきまーす」
「……俺たちも食べるか」
そして、各々食べ始めようとした時、先ほど出迎えて固まっていた店員がやって来た。
「あの……」店員は、涙ぐんでいる。「この前は、ありがとうございました」
『「「「「…………?」」」」』
「あのー、何の話ですか?」
テンが、めっちゃ戸惑っている。
「あの、あなたと……たぶんここにいるみなさんが、私を助けようとしてくださって……それなのに私……その……」
テンは少し考えてから、ぱちんと指を鳴らした。
「わかった!へん……スカーレットが、盾にしようとしていたお姉さんだ!」
そこで、みんな|(ソラ以外)が納得した。
「あ!」
「あの時の!」
「雰囲気が違うから、全然わからなかった……!」
「あの時は、スカーレット様……あ、いや、スカーレットに無理やり着せられた服だったので……」
確かに、あの時の派手さはない。化粧が普通くらいの濃さで、制服を着ている姿も、清楚な感じを受ける。
「あの時、あなたがせっかく助けようとしてくださったのに、私……その……」
「……あ!気にしないで!悪いのは全部スカーレットだから!」
たぶん脱衣所で、必死になったテンに腕を掴まれたから、テンの顔だけは覚えていたのだろう。
「でも、無事でよかった!」
テンは、満面の笑みでそう言った。




