220話 6月10日#04
俺たち2人は、それぞれ5回くらい、遠くにある石を当てる練習をした後、再び『ワールウィンドヘア』を探して歩き回った。
もう1匹見つけたので、今度は俺が撃つことになった。
――結果。
当たったことは当たったが、腹に当たったので、即死とまではいかなかった。
とはいえ、すぐには動けなくてキーキー鳴いて、その場でじたばたしていたので、俺は走って距離を詰めて捕まえ、剣で首を斬った。
「わあ!カイト君、さすが!」
『カイトさんの弓は大きいですし、バネも大きそうですもんね』
テンとピエール33世は喜んでいるが、俺は少し心配になった。
「……これ、どうしたらいい?」
『あ。ちょっとお待ち下さい』ピエール33世が、地面に降り立った。『この場でちゃちゃっと捌いちゃいますね!』
ピエール33世が、ナイフの形になった。ナイフは勝手に動いて、『ワールウィンドヘア』の肉を切りわけ始めた。
「君さ、」
突然、テンが俺に話しかけてきた。
「なんだかんだですごくない?いろんな武器使えて強いし、みんなの様子見て、しっかり指示できるし」
「そうか?俺はテンの方がすごいと思うが」
あのスカーレットを翻弄し続けた|(櫓にいた人が教えてくれた)テンの強さは、やっぱり普通じゃないと思う。
――魔法も使えるし。
「僕が思うに、君は魔法に対して『苦手意識』が強すぎるんじゃないかな」
ふと見ると、テンは遠くを見ていた。
「魔法は、魔法。長所もあるけど、欠点もある。だから、」
テンはこちらを向いて、ニコっと笑った。
「君の観察眼で、相手の魔法をよく見るといいんじゃない?君は、魔術師相手でも十分、やっていけると思うよ」
「うーん……」
今までの旅の中でも、俺はそこまで強いとは思わなかった。
スターリアは、ウラヌスではレイが倒し、一昨日はソラと一緒に戦った。
ミライに勝負を吹っかけられたときは、たまたま相性がよくて勝てた。
スカーレットもそうだ。結局自分の能力に陶酔し、得意になっている相手の弱点を見つけて、痛めつけただけだ。最終的にトドメを刺したのは、レイだし。
『ウグイロン』も、レイが倒したし、『セイレーン』は、みんなで協力して倒したし、あとは……
「……提案があるんだけどさ。これからは僕や仲間たちと、『模擬戦』やってみない?」
「……え?」俺は目を丸くした。
「特に、僕と戦うのが一番勉強になると思うけど。強力な魔法や武器を使っている人と戦ってみると、いろんなことがわかってくると思うよ」
それから、「そうだねえ……」と、テンは少し考えた。
「剣士はレイさん、弓術士ならリアちゃん、体術使う相手ならソラちゃん――で、銃と魔法なら僕。結構いいメンバーが揃ってるんじゃないかな?」
――言われてみればそうだ。なぜ今まで気づかなかったんだろう?
「試しに、これから僕と戦ってみない?もちろん僕は実弾使わないし、もし怪我しても『みずがめ座の石』で治せるし」
「いいな!やってみよう!」




