218話 6月10日#02
午前10時頃。
俺たちは、最初の休憩に入っていた。
すると突然、テンが他のメンバーに話しかけてきた。
「ねえねえ、みんな!今日はちょっと豪華な夕飯にしない?」
「どうして?」俺はテンの方を見た。
「え?だって今日は、君とレイさんと月の神様が出会って、ちょうど1か月たつんでしょ?」
『えーっと、そうですね』ピエールキッチンが同意した。『今日でちょうど31日たちました』
「うお!もうそんなにたつのか!?」
「……月日がたつのは、早い……」
「これは、特別なことをしないといけないやつね♪」
「……そうか?」レイは首を傾げた。
「だって、その記念すべき1日が、ちょうど1か月前なんだから」テンはウィンクした。「やっぱりお祝いしたいでしょ?」
「……でもそれ、リアとテンとソラには関係ないことじゃ……?」
『そんなことはないですよ』と、ピエールキッチンは言った。『ワタクシたちが出会って旅を始めなければ、この御三方も旅をすることはなかったんですから』
「でも、具体的に何する……?」
「うーん」テンは考え込んだ。「ピエールキッチンは、動物捌ける?」
『えーっと……七面鳥くらいの大きさまでなら可能です』
――結構な大きさだな。
「じゃあ、このあたりにいる動物なりモンスターなりを狩って、それ焼いて食べてみない?」
「『野菜男』のくせに、随分ワイルドなこと考えるわね」
「……リアちゃん。僕、そろそろ怒るよ?」
テンはそう言って、リアを小突いた。
「でも、いい案だと思うぞ、私は」
「だよね、だよね!?レイさんわかってるぅ〜!」
レイに関しては、大げさなくらい喜んでいた。
「……そういえば、このあたりに『ワールウィンドヘア』って、ウサギに似たモンスターがいる……」と、ソラが言った。「草食で……食べると美味しい、らしい……」
「へえ、いいね」
『その『ウサギ』、モンスターとしては小型ですが、『ウサギ』としてはかなり大きいです。食べ応えあると思いますよ』
「じゃあ、その『ウサギ』探して狩ってみるか」
俺がそう言うと、レイが「一体どんな味なんだろう?」と、目を輝かせて言った。
「あと、ハーブや山菜が入手できれば、何か特別感がありそうなんだけど」
「あら、いい考えね♪」リアがぱちんと手を打った。「山の幸をふんだんに使ったフルコース料理!」
「……さすがに、フルコースは無理だと思うけど?」
「……でも、楽しそう……!」
『いいですね〜!ワタクシもお手伝いいたしますよ!』
「……じゃあ、ちょっと早いけど……今昼飯を食って、その後みんなで食材探して『ワイルドで豪華な夕飯』作ってみるか!」
『「「「「おー!!!!」」」」』




