216話 6月9日#03
俺たちは太陽の神殿から出て、アポロへと帰った。着いたのは、夜の7時。
「明日から、どうしよう?」
俺は、他のみんなに訊ねた。
「『さそり座の石』を探しに行くのは確定だが、その後どうする?」
「……他に、持ってない石は?」
「んー、『おひつじ座』、『おうし座』、『ふたご座』、『かに座』、『うお座』……」
レイがそう言うと、ソラが地図を取り出した。
「プルートーと、山脈を挟んで反対側は砂漠地帯……その中に『かに座の星霊使い』の故郷の『ディアナ』がある……」
『おそらく、そこが一番近いですね』
ピエール33世は、緑色に点滅していた。
「……他は?」
「『おうし座の星霊使い』は『ウェヌス』が故郷……ちょうどこの国の中央にある……」と、ソラが地図で指し示した。
『そこは、最後でいいと思います。『月の神殿』のすぐ近くなので』
「『ふたご座の星霊使い』の故郷はここ……『メルクリウス』……」
「あ、そんなところにあるんだ」
以前来た『ヴィクトリア』の南東の方にある。
「問題は『アリエスの石』と『ピスケスの石』ね」
リアは腕を組んだ。
「アリエスは、なぜか『石』を持ってないし……ピスケスは、敵の親玉だし、故郷の『ネプトゥヌス』が地図上にないし」
「それで言ったらゲミニも、敵だから手に入れるのは難しいんじゃないか?」
――うーん。課題が山積している。
「そもそも、故郷にいるとは限らないしね」
テンの言うことも、もっともだし。
「……とりあえず、砂漠の中の『ディアナ』って街を目指すか」と、俺は言った。「『確実』に近い方から攻めていこう」
「それが一番ね」
みんなが頷いたので、一旦プルートーに戻り、その後山道を南へと下り、『砂漠』へ行くことになった。
「……ねえ、」と、テンが言った。「この中で『砂漠』へ行ったことのある人いる?」
「「「「………………」」」」
――いなかった。
『……ごめんなさい』ピエール33世は、紫色の光でしょげた。『ワタクシには、人間がどうやって砂漠のような厳しい環境に対応しているのか、全然わかりません』
「うーん……」俺は腕を組んで考えた。「やっぱり、それなりの装備が必要なんだろうな……」
――困ったな。
「……とりあえず、『スコルピウスの石』探してから考えるか」俺はため息をついた。
そんな話し合いが終わると、俺たちは夕飯を食べ、その後それぞれ自由に夜を過ごした。
レイは、本を読んでいる。
テンは、銃の手入れをしている。
ソラは、サンドバッグを蹴っている。
リアは……
「……ね♪この服、あたしに似合ってるかしら〜♪」
「知らん」俺は、『月の神復活の儀式の文』のメモを書いていた。
「せめて、チラッとだけでいいから、見てよ〜」
「……俺は忙しい」
「……も〜!リアつまんな〜い!」
――1人だけ、手持ち無沙汰で困っていた。




