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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
プルートー−アポロ編

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212/380

212話 6月7日〜元の姿へ〜

 〜193話の前後の会話〜



 俺たちは、たまたま見つけた岩の隙間に身を隠し、少し休むことにした。



 『ほ、本当に申し訳ないです!ワタクシ神様なのに全然あなたたちを守れなくて……!』


 「気にするな」俺はテンに訊ねた。「……レイ渡そうか?」


 「……少し、待ってて」テンは帽子の中をごそごそ探った。「シャツだけ着替える」



 そういえば、テンのシャツにべっとりと血がついている。相当血を吐いたんだろうな。



 「……や、やだ♪ここで脱いじゃうの〜?」



 リアが、なぜか恥ずかしがっている。



 「君……男でしょ?」


 「え?そう思う理由は?」


 「あの粉の薬、吸っても平気だったじゃん」


 「……もうコイツにも効かないか」



 無駄な話ができるということは、テンにも少し余裕が出来てきたのかもな。



 ――それにしても、初めて見るが、



 「テンって傷だらけなんだな」


 「えっと……」テンは曖昧に笑っている。



 テンの体には、あちこち古傷がある。刺し傷に切り傷、あと銃痕らしきものもある。



 「……見なかったことにしてくれると嬉しいな……」


 「……わかった」



 テンが着替え終わると、俺はテンにレイを渡した。


 テンは悲しそうな顔で、レイをぎゅっと抱きしめた。



 『あの、テンさん』ピエールネックレスはテンに話しかけた。『あまり自分を責めないでください……ワタクシが悪いんです』



 そして、ピエールネックレスは大声を上げた。



 『み、みなさん!本っ当に申しわけありませーん!!わ、ワタクシ!こんなことくらいしかできなくて……!!』


 「いや。咄嗟のいい判断だったと思ってるよ」テンは、自分も余裕がないのに、ピエールネックレスを慰めた。


 『でもっ、ワタクシ神なのに、レイさんの『石化』の進行を遅らせることしかできなくて……!』



 俺は、岩場の周囲を見渡した。誰も人が来る気配はないが……



 「悪いが、そろそろ声のトーンを小さくしてくれねえか。今の俺たちは、誰に見つかっても面倒だ」






 ――その後もいろいろ話していたが、ふと気づくと、テンが血のついたシャツに何か粉を振りかけていた。白っぽい。



 「……それは?」


 「ん?洗剤」テンはそう言うと、魔法で水をかけ、シャツをきれいに洗い流していた。



 「……さすがに全部落とすのは難しいよね」結果を見ながらテンは言った。「ちょっと古くなってたし、新しいの買おうかな」


 テンは、また帽子の中をガサゴソやった。



 取り出したのは、鏡。自分の頭の様子を、さまざまな角度からチェックしている。



 「髪の毛も汚れちゃってる……僕の髪白いから、汚れが目立つんだよねー……」


 「あ。いいのあげる♪」



 服を探しているはずのリアは、突然ヘアブラシをとり出した。



 「『髪の汚れをきれいに取ってくれる』ヘアブラシ!」



 テンはそれを受け取り、サイズを大きくしてもらった後、自分の髪を梳かし始めた。



 「おお!僕が元のイケメンに……!」



 ――汚れがとれて、喜んでいた。



 「……よかったな」



 テンに少し元の明るさが戻ったようなので、俺はホッとした。



 「……じゃあ、テン。レイに服を着せてやりな」


 「うん」



 テンは、またレイの体をぎゅっと抱きしめると、リアから受け取った服をレイに着せ始めた。

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