206話 6月8日#11
「思うんだけど、」テンはリアとソラを交互に見つめた。「星霊使いって、いくつくらい魔法を覚えるの?」
――すると、リアとソラは互いに顔を見合わせた。
「……最大10個くらい……?」
「あたしはそのくらい覚えてる気がする……レオは?」
「7つ……」
「……少ないわね」
「……体術で補ってる……」
「へー……」
――リアが、遠い目をしていた。
「……じゃあ、とりあえず10個としよう」俺は、剣の手入れをする手を止めた。「あの2人、いくつくらい魔法を使ってたっけ?」
「変態は……えっと7個、かな?」
テンが指折り数えて言った。
「スターリアは、俺が知る限り6個だ……ということは、2人ともまだ使ってない魔法がある可能性がある」
「……新技は、気をつけないと……」
「あ、ねえねえ」リアはこちらを振り向いた。「何か他とは違う雰囲気の名前の魔法、使ったことある?」
「『違う雰囲気』?」
「ええ。あたしで言うと、『いて座の歓喜』って名前なんだけど……」
「あー、なるほど」テンは頷いた。「2人じゃないけど、レイさんがさっき使ってた。『イラ……何とか』って言って……何か強そうだった」
「……星霊魔法の『奥義』……」と、ソラは言った。「これを覚えないと、正式に星霊使いになれない……」
「それってつまり、『最強の技を全員が必ず覚えている』ってことか?」
「うん……」ソラは頷いた。「しかもその魔法……回避できないし……魔法盾とか、バリアとかも無視する……」
「何それ!?」
俺とテンは、驚いて目を見張った。
「レイは強いから……いくら見せても、たぶん大丈夫……」
「でも普通は、ここぞという時までとっておくものなのよ」
全員で、顔を見合わせた。
「それ使われたら、僕らも一瞬でやられちゃうかも……」
「『石』を本格的に狙われ始めた時が一番危ねえな」
「何か対策できないかな?」
「……石を分散して持ってた方がいいわね」リアはうんうん頷いた。「少なくとも、あたしとレオは、自分の石は持ってましょ♪」
「……あたしは、もう持ってる……」
そう言ってソラが見せてくれたのは、見事な金色に輝く『石』だった。
「……すげー。今まで見た中で、一番キラキラしてる」
「……太陽をイメージしている、らしい……」
「ふーん」テンがニコッと笑った。「『石』って、面白いね」
「……じゃ、あたしは、アリエスが起きたら返してもらうわ♪」リアはじーっとレイを見つめた。「この人、寝る時はあっという間よねー」
「そこがチャームポイントなんじゃない」テンはそう言って、レイの頭を優しく撫でた。
レイは、すやすや寝息を立てていた。




