表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
プルートー−アポロ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

194/206

194話 6月7日#02

 レイに服を着せた後、俺たちは山を下り始めた。


 幸い、『俺たちがあまり目立たな』そうな公園をすぐ見つけた。大通りからは外れていて、柔らかい朝日がベンチを照らしている。



 「レイさんの体、太陽の光であったまるといいんだけど」


 「とりあえず、レイのことはよろしく」



 俺はそう言い残し、ソラが帰ってくるはずの城門へと向かった。



 そして午前8時頃に、見慣れたツインテールの少女が、門兵から離れてこちらに近づいてくるのが見えた。



 「……カイト……」


 「おお、ソラ!」俺もソラへ近づいた。「よかった。わりと早く来てくれて!」


 「……みんなは?」


 「それが、ちょっと大変なことになってて……」俺はソラを手招きした。「できるだけ早く来てほしい。走れるか?」


 「……うん、大丈夫……!」






 俺は公園までソラを連れていく間に、簡単に状況を説明した。



 「『石化』の症状を抑える薬草……」公園にたどり着くと、ソラは『薬草大全』という題名の本をぱらぱらめくった。「確かこのあたりに……あった……!」



 ソラは本のページを指さした。



 「『ディザリアス』……この草がそう……!」


 「へえ。変わった葉っぱだね」テンは、さっきまでより明るい声で言った。レイの体が少しずつ暖まってきたからだろう。



 『ディザリアス』という植物は、いくつものハートの形を直線上に並べたような独特な葉の形をしていた。


 『石化』の症状の中で、まだ臓器が動いている初期状態の人に有効。飲ませ方も簡単で、水に刻んだ葉を入れて、火にかけて煮出すだけ。



 ――しかも、



 「『即効性がある』!?」俺は目を見開いた。「じゃあ、早くレイに飲ませてあげれば……!」


 「『2、3時間で効き始める』!」テンも嬉しそうだ。「じゃあ、早く探して……!」


 「待って、問題もある……」と、ソラは言った。「流通量が少ないから、薬局や市場では買えない……」


 「しかも『高山植物』って書いてあるわよ?」と、リアが本の上に乗って、指をさした。


 「……でも、うちの(さと)の近くの山でも採集できるかも……ということは、」



 ソラは顔を上げた。



 「おばあちゃんの店に、『ディザリアス』の葉があるかも……!」


 『「「「……え?」」」』



 聞いたところによると、ソラの祖母は、昔ながらの薬草を使った薬屋を営んでいるらしい。ソラの故郷『アポロ』で有名な薬屋なんだとか。


 アポロの周辺の山には珍しい高山植物が多く、その薬屋には、そういう植物の葉を採取して『時間凍結』したものが、たくさん置いてあるそうだ。



 「もしなくても……おばあちゃんなら、どこに生えてるか知ってるかもしれない……」


 「おお!……で、」俺はレイの首元のピエールネックレスに訊ねた。「レイの体、どのくらい()ちそうか?」


 『『たぶん』なので、あんまりアテにしすぎないでほしいのですが……明後日くらいまでは、今くらいの症状で抑えられる気がします』


 「そんな短いのか……」俺はぼんやりと考えた。「どうしよう?アポロまで行って、とって帰ってくるのじゃ遅いよな……?」


 「ソラちゃんの足で2日かかるんだから、どう転んでもレイさんをアポロまで連れていくしかないよ」と、テンは言った。


 「……ピエールネックレスって、分裂して、片方郷まで飛んで行けないの?」


 『できません』



 リアの質問に、ピエールネックレスはきっぱりと答えた。



 『あと、ワタクシではアポロまでは飛べません……アポロって、標高が1800メートルくらいあるんですよ。そこまでの道のりは、ほぼ登山です』


 「みんなを、あたしのゴーレムで運ぶから……みんなは歩く心配しなくていい……」


 「ごめんね、ソラちゃん」と、テンは謝った。「君に頼るのが一番早そうだから、キツイと思うけど頑張ってね」


 「……うん。頑張る……!」


 「……で、」リアは渋い顔をした。「どうやってこの街を抜ける?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ