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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
プルートー−アポロ編

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190話 6月6日#07

 「ところで、まさかとは思うんだが、」と、俺は走りながら言った。「『若い女性が行方不明』とかいう事件も、あの変態が絡んでいるんだろうか?」


 「その可能性はあると思う」テンも、俺の隣を走っている。「人間は、空気とか氷とかから作れるものじゃないし、この城の中にあの人数いたらね……」


 「……どこまでも救いようのない奴!」


 「何とかあの人たちも救えないか?」


 「……たぶん僕たちの力じゃ、そこまではできないと思う……」



 テンは苦い顔をした。



 「でも!アリエスが復活すれば、あんな変態やっつけられるわよね!?」と、リアが励ました。


 「あの粉に気をつければね」


 「……じゃあ、ますますレイを探さないと」



 その時、ちょうど上の階とつながっている階段を見つけた。駆け上がっていくと、すぐ隣にキッチンがあった。


 中を覗くと、数人の女性が何か料理を作っていた。


 俺たちが中へ入っていくと、女性たち全員がぎょっとした顔でこちらを振り向いた。



 「あ、あなたたちは……?」



 そう口を開いた女性は、わなわなと震えていた。



 「へんた……スカーレットに、地下へ落とされたんです」と、俺は説明した。「仲間が1人、スカーレットに捕まったんで、今のスカーレットの居場所と、その仲間がいそうな場所を教えてください」



 すると、女性たちは互いに顔を見合わせた。



 「そ、その人……女の子……?」


 「そうだけど……」



 女性は震えながら、悲しそうにつぶやいた。



 「あ、あなたたち……すぐに逃げた方がいいわ……たぶんその子……もう助からない……」


 「「「……え?」」」



 俺たち3人は、固まった。



 「スカーレット様……『裏切り者』には容赦しないから……」


 「何人もの女の子たちが、スカーレット様の怒りに触れて『処刑』されたの……石と氷漬けにされて……」


 「ちょっと!そういうこと教えると、またスカーレット様が……!」


 「いいのよ。どうせ私たち全員、ここから出られないんだから……」



 ――知れば知るほど、とんでもないことが起きていることに気づくな。



 「逃げたりしないんですか?」


 「スカーレット様……城中の扉を凍結させてて……彼でないと開けられないんです……」


 「スカーレット様がいない間、私たちはどこかの部屋に閉じ込められてて……」


 「……なるほど」



 テンが、不穏な空気を漂わせている。



 「女の子の方はわからないけど、スカーレット様なら今、入浴中よ。この城の中で、1つだけ暖かい部屋があって……」


 「…………あそこか」



 突然、テンはキッチンから出て、どこかへ走っていってしまった。俺が慌てて追いかけようとすると、1人の女性が「あの……」とつぶやいた。



 「1階の大浴場の近くに、冷凍室みたいに寒い部屋があるんですが、あの中に、完全に石になってしまった女の子たちがいるので……もし城の外へ出られたら、あの子たちを丁重に葬ってほしいと他の人に伝えてください」


 「……わかった。ありがとう」



 俺は再び廊下を走りながら、リアと話をした。



 「あの部屋にあった石像って、被害者だったのね!」


 「何でこんな、明らかな犯罪者を捕まえられないんだろう?」


 「『城が崩壊している』って言って人払いしてるし……そもそも、本人が強すぎて、誰も止められないんじゃないかしら」


 「レイが復活したら、ボコボコにやっつけてもらおう」


 「そうね!」

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