181話 6月5日#01
翌日。
そんなわけで、俺は、ピエール33世とリアと一緒に、スカーレットや石の情報を得るため、街の中を歩いていた。
「この街、日陰は涼しいけど、日なたはめっちゃ暑いよな」
「太陽の光が強いものね」リアが、俺の感想を聞いてこくこく頷いた。
『あんまり、正午頃は歩き回らないほうがいいかもしれませんね』と、ピエール33世も同意した。『もしかしたら、これから気温も上がって、日陰でも暑くなるかもしれませんから』
ガイドブックは、テンが「欲しいっっっ!!!」と言ったので、現在はテンとレイが持っている。
――ということは、俺たちは観光名所ではないところを探したほうがいいかもしれない。
「モデルって、普段どんな場所によく行くんだろう?」
「そうねえ」リアは顎に手を当てて考えた。「仕事なら、おしゃれなカフェの前とか……有名なスポットとか……穴場のスポットでも、撮影しているかもね♪」
『あと、モデルさんなら、服飾とか興味ありそうですね』
「そうね。意外と普通の服屋にいるかもしれないわね……」
「そうか、服屋か」俺は手を打った。「じゃあ、そのへんの服売ってる店を探そう!」
そういうわけで、俺たちは服屋を探しては、中の様子を眺めたり、店員に聞いてみたりした。
そうするうちに、城の近くにある小洒落た店で、こんな情報を入手した。
「この前、雑誌でウチの服を紹介してもらったんだけど、その時スカーレット君が「賑やかな通りを歩くのはあまり好きじゃないんだ。ごはんを食べるにしろ、わりと静かなお店で食べるかな」って言ってたのよ。まあ、具体的にどこかは知らないけど」
「これはいい情報ね♪一歩前進よ!」店から出ると、リアが楽しそうに言った。
「『わりと静かな店』か……」俺は周囲を見渡した。「迷子になりそうだが、裏通りを歩いてみるか」
『迷子になりましたら、ワタクシが空から道案内しますよ!』
「頼むよ」
そうして、今度はいろんな飲食店を回ってみたところ、スカーレットは意外とあちこちで顔を出していることに気づいた。いろんな店で、壁なり色紙なりにサインを書いて贈っている。
「しかも、あの城の周辺が多いわね」リアが目ざとくそのことを見つけた。「城の近くに住んでいるのかもしれないわね」
「でも、それ以上のことはわかりそうもねえな」俺は首を傾げた。「完全に運任せだが、城の近くをうろうろしてみるか」




