178話 6月4日#02
その後、天文台まで行って、そこの職員に訊いてみた。
「確かにこの街にも1つ落ちてきたんだけどね、」職員は首を振った。「残念ながら、隕石そのものは見つかっていないんだ」
――なかなか有力な情報を得たぞ。
天文台から元来た道を引き返す中で、俺は他のメンバーに言った。
「……つまり、さそり座の星霊使いはこの街にいて、石も持っている可能性がある」
『その人が本当にスコルピウスさんなら、の話なんですけど』
「なるほど。そうやって手がかりを探していくんだね……」
テンはニヤけていた。
「……だって、レイさん!まるで推理小説みたいだね!」
「……ああ、そうか」
――ちなみに、先ほど何話していたのかは知らないが、テンは、レイが俺にあまり興味がないことに気づき、機嫌を直したようだ。
レイのテンに対する反応は、相変わらず薄いが。
「さて、次はどうやってスコルピウスを探すかだが……」
俺はピエール33世の方を見た。
「何かこう……『魔力を感知して星霊使いを見つけられるセンサー』みたいなの、ないの?」
『ございません』ピエール33世はきっぱりと言った。
「機械好きな神様なら作れるんじゃないかと思うんだけど」
『ワタクシは、『星霊使い』と『ただの魔術師』を見分ける方法を知りません』
「せめて、顔と名前くらいわからないの?」
テンが訊ねると、ピエール33世はむむむと唸った。
『実は神様は、あまり人間の世界に介入しないようにしているんです。なので、特定の人の特徴とか人間関係とかは全然把握してません』
「彼らが『星霊界』でどうしてたとかもわからないの?」
ピエール33世は、元気に黄色く光った。
『わかりません!ワタクシ、星霊界へは行けませんから!』
「……神様のくせに……」
「でも、レイさんは行けるんでしょ?」
その言葉を聞き、レイはテンの顔を見た。
「基本的に、私たちは星霊界へは帰れない」
「星霊たちは、よっぽど緊急性のある事態が発生しないと、あたしたちを星霊界に入れてくれないのよ」と、リアが言った。
「あと、星霊使い同士はほぼ面識がない」と、レイは付け加えた。「師匠である星霊同士がほとんど交流を持たないからな。私と私の師匠もそうだ」
「あたしもよくわからないわ〜。ソラは、もしかしたらソフィアと星霊界で出会ったのかもしれないけど……」リアも、困ったように肩をすくめた。
『……ま。だからワタクシは、こうやってみなさんにご協力をお願いしているわけです』
ピエール33世はピコピコとピンク色に光った。
「……星霊同士って、あまり仲がよくないのか?」
「そうとも言えるかもしれない」
うーん……そう都合よくはいかないものなのか……?




