154話 6月1日#02
周辺の住民に聞いてみたが、公園|(ただの丘ではなかったらしい)にある石の円盤が何なのか知る人はいなかった。
そしてそれ以上のものを見つけられなかった俺たちは、街の中心へと戻ってきた。到着した時には、もう午後2時くらいになっていた。
集合場所に指定した昨日の宿の前まで行くと、そこには既にテン、ソラ、モルガンの3人がいた。
3人は、特に成果はなかったらしい。
沖合いの島に関しても、新しい情報を得ることはなかった。
「あ、ねえねえ」テンは、グループ分けのショックから、ようやく立ち直っていた。「お昼食べた?」
「まだだが」
「ちょっと遅いけど、みんな一緒にごはん食べたら、午前中とは反対の方を探してみるってのはどう?」
「俺たちが西で、テンたちが東ってことか?」俺は首を傾げた。
「そうそう」テンは頷いた。「もしかしたら、君たちが見つけられなかったものを、僕たちが見つけることができるかもしれないし」
まあ、それもいい案かもしれない。
「私はそれでいいよ」
レイが賛成したので、テンはめっちゃ嬉しそうな顔をした。
「レイさん!ありがとう……!!」
「他の奴らはどうだ?反対意見はあるか?」
みんな反対意見は特にないと言ったので、昼食後にAグループ|(俺たち)が海側、Bグループ(テンたち)が丘のある側を探すことになった。
そんなこんなで夕方。
俺たちは何も見つけられず、そのまま街の中をぶらぶら歩いていた。
「ホントに何にもなかったわね……」
「そうだな……」
「腹減った……」
その時、突然何かが、丘のあった方角から沖合の島に向かって、頭上を一直線に飛んでいった。その際「ドーン!!」と大きな音がしたので、街の住民も「一体何だ?」と、家から飛び出してきた。
『えーっと、』ピエール33世は控えめな声で言った。『今の、『鍵』じゃありませんでしたか……?」
「俺もそんな気がする」俺は、他のメンバーに合図を送った。「ちょっと行ってみよう!」
その瞬間、明るい金色の光が俺たちを包みこんだ。あまりに眩しくて目をつぶっていると、やがて光は弱くなっていき、元の明るさに戻った。
――でも、さっきとは何かが違う。
海の方を見て、俺は目を大きく見開いた。
そこには、金色の光に包まれた大きな扉があった。非常に大きくて、こんなに海から離れたところからでもその存在はよく見えた。
そしてその扉の鍵穴に、俺たちが持っていたあの『鍵』がしっかり刺さっていた。後はひねるだけとでも言っているかのように。
通りには人がわさわさと集まってきていた。みんな、海の上にある大きな扉に目が釘付けになっている。
その時、レイは俺の服の袖を引っ張った。
「何だよ?」
レイは、扉とは反対の方を見ている。指さしているので、俺はそちらの方を振り返った。
日が傾いてきて暗くなり、星が少しずつ見えてきた東の空。
その空に、小さな花火が散ることなくずっととどまっていた。




