↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
ケレス‐アトラス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

142/372

142話 5月29日#01

 翌日、午前9時頃。


 俺たちは飛空艇発着場(ポート)の中にいた。



 ――何だかいろいろありすぎて忘れていたが、この街は今現在、『謎の巨大昆虫の怪物』に対する警戒を行っていた。



 『思えばワタクシが地球に落ちてから、まだひと月も経ってませんからねー。そんなものですよねー』



 本人はどこ吹く風である。



 「とりあえず、ポートの使用の制限はされてなくてよかったね」テンは周囲を見渡した。


 「俺たちがケレスを出る時も封鎖はしてなかったし、そんなものだとは思うが」


 「……ところで、どうやって出発するつもりだ?」モルガンは腕を組んだ。「貴様ら、ちゃんと『飛空艇』とやらを持っているのか?」


 「……あ。モルガンは知らないんだったな」俺はニヤッと笑った。「ちょっと見てなって」



 ピエール33世は乗降場(プラットフォーム)の空いている空間に飛び込み、いつもやっているように体を大きく膨らませて、いつもの飛空艇『ピエール号』に変身した。



 「……な?すげえだろ?」


 「確かに、かようなモノは見たことがないが……」モルガンは目を細めて俺を見た。「なぜ貴様が得意になってる?」


 『カイトさんは、ときどき子どもっぽいところがありますからねー』


 「うるせえな。みんな、さっさと乗るぞ!」


 「おー」レイのやる気のない掛け声が聞こえてきた。


 「お?レイさんが……」テンは拳を上に突き上げた。「じゃあ、僕も『おー』!」


 「お、おー?」ソラがタイミングを見失いそうになっている。


 「しょうがないわね♪あたしも『おー』!」リアが、他のメンバーに負けじと声を張り上げた。


 「……やるならバラバラじゃなくて、全員一緒にやれよ」俺は、仕方なしに他のメンバーの元へと戻ってきた。「いいか?――みんな、行くぞ!」


 『「「「「「おー!」」」」」』


 「……我はやらないからな」モルガンは、そっぽを向きながらそう主張した。






 ――とはいえ、モルガンは空の旅を気に入ったようだ。自分専用の部屋を割り当てられただけでなく、居心地のいいリビングの椅子や、ピエール号が作る食事などを、モルガン本人が「及第点だな」とつぶやくくらいには評価してもらえた。


 午後3時頃になり、テンはピエール号の進路の確認のため、船長室へと向かった。『プロセルピナ』という街まで、ひたすら森の上をまっすぐ進んでいく予定だった。



 「2日……いや、状況によっては3日以上かかるかもしれない。野宿の時は、周囲の警戒を怠らないようにしないと」



 こういう時、なぜかテンが頼りになる。もしかしたら、テンは昔、街を転々と移動した経験があるのかもしれない。



 「……てか、みんなだらけすぎだろ」



 リビングにいた俺は、みんなの様子を見ながらつぶやいた。


 レイとリアは、完全に寝ている。ソラもうとうとしている。


 モルガンに至っては「なぜ誰も我の世話をしない?」と、不遜な態度で脚を組み、ソファでふんぞり返っていた。



 ――まあ。これから見張り番というきつい仕事があるから、今は休ませたほうがいいか。


 ちなみに、ウチは女性陣も強者揃いなので、見張り番は6人全員による交代制でやることに決まっている。



 「ただなあ、」俺は頭を掻いた。「ちゃんと起きていてくれるのかなあ……特にレイ……」



 ソファから転がり落ちながらも、まだぐーぐー眠っているレイを見ていると、俺は不安を拭いきれなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。